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松田美緒インタビュー


Q:あなたはなぜ南米の音楽に惹かれ始めましたか?

A:南米のポピュラー音楽が持っている懐の深さと温かさ、津々浦々の音楽の多様さ。南米の音楽は、どの音楽も初めて聴くのにどこか懐かしい気がします。
南米はすべての血が混合して音楽のなかでたぎっている場所だと思います。
ポルトガルからブラジルそして南米の国々へ行くと、大西洋を渡ったすべての血が南米の土壌で混ざり合って生まれた、奇跡の音楽だと驚きました。混血しているからこそ、誰にとっても故郷になり得るのが、南米の音楽なんじゃないかと思います。私にとっても故郷だと感じます。

Q:あなたが今感じている南米の音楽の魅力とは何ですか?

A:生活の中に音楽があるところです。
今まで6カ国を回りましたが、ミュージシャンのお友達に連れられて、いろいろなポピュラー・伝統音楽の現場に居ることができました。
日々の生活に歌あり、詩あり、楽器あり、音楽が好きでたまらない人たちがいて、どの土地、地方の音楽にも美学にあふれていて、どんどん虜になりました。特にブラジルやベネズエラでは、プロもアマチュアの人たちも皆で集まって演奏するホーダ(輪)あります。老若男女が一緒に演奏する場所が、音楽家にとって最高の学び舎になっています。お金で買えない時間ですね。だから南米音楽は、常に混合し、進化してきたと思います。若い世代のアーティストたちが伝統音楽に深い敬意を持っているからこそ、ルーツに新しい音、アイデアが加わっていくんでしょうね。

Q:今回、どんな演奏をしたいですか?

A:今回、私が歌ってきた南米6カ国の歌をお届けします。
それぞれの歌の物語、土地の息吹まで感じていただけるような演奏にしたいと思っています。
ビスコイット・グローボの編曲も楽しみにしていてください。

Q:影響を受けた南米の音楽家がいれば教えてください。

A:たくさんいますが、クララ・ヌネス、エリゼッチ・カルドーゾなどブラジルの大歌手が南米音楽に傾倒させてくれましたし、歌手になってから、ウーゴ・ファトルーソとの出会いは大きかったです。

Q:今、共感している南米の音楽家がいれば教えてください。

A:ヴィニシウス・カントゥアーリアのソロは素晴らしかった!ニューヨークで温存され円熟したブラジルを感じました。