ホンジュラス暫定政権は29日(火)に、緊張状態の終焉は近かったが、6月に追放されたセラヤ大統領が“草の根の抵抗”を呼びかけたことで、自由な生活への厳しい制約が設けられるだろうという勧告を発表した。
また29日火曜日には、ホンジュラス軍総司令官ロメオ・バスケス将軍があらゆる方法を持って6月28日に起こったクーデターによる窮地を脱しようとしていると発表。
セラヤ追放の実質的な鍵を握っていると考えられているバスケス将軍は「我々はすべての人が望んでいる解決に向かって前進している」と述べた。
暫定政権は今月26日付で、45日間の時限法として、許可なく集会を開くことなどを禁じ、令状なしの逮捕や、「平和と秩序を乱す」とみなした報道機関を政府が閉鎖させることを認める旨の法令を発布したが、この法令は国際的な反発を招いている。またホンジュラス国内議員の中にも同法を巡って反発が見られ、新聞・テレビなどの報道機関やその事業主などの間にも、今回の措置はやりすぎだという意見が出ている。
国連事務総長・潘基文氏は火曜日にホンジュラス情勢について「非常に危惧している」と延べ、現在在ホンジュラスブラジル大使館に身を寄せているマヌエル・セラヤ大統領の身の安全を保証するよう呼びかけた。
潘事務総長は「今一度、セラヤ大統領の身の安全を保証するよう呼びかける」と、国連に援助を求める電話演説をセラヤ大統領が行った翌日に、ニューヨークで開かれた記者会見で述べた。
在ホンジュラス米国大使は、コスタリカのオスカル・アリアス大統領が提唱したサン・ホセ協定に基づきセラヤ大統領を復職させることが、ホンジュラスを現状から前進させる鍵だとコメントした。
「米国はサン・ホセ協定に基づく対話こそが、現状の解決と民主主義の奪回、そして国際的支援によって開催される平和的選挙実現への鍵だと考える」と地元ラジオ局HRNに訴える一方、「米国はどちらにも組みしない」、米国が支持するのは民主主義そのものだ、と念を押した。
米国は永住ビザや亡命ビザを除いたホンジュラス人への新たな査証発給を停止している。
出口の見えない長い緊張状態に、ホンジュラス国内の企業経営者らリーダーは、セラヤの帰還と多国籍軍の介入に抗議し、交通封鎖を行った。
経営者リーダーらが求めるプランは、ホンジュラスに秘密裏に再入国して以来ブラジル大使館に客品として8日間滞在しているセラヤ大統領が、裁判所に出向き裁きを受けることだと、この封鎖行動を指示したリーダーのアドルフォ・ファクセーはAFP通信に語った。
「(暫定政権の)ミチェレッティ大統領には、愛国的な行動を期待する。彼はこの後は、一人の議員として国政の場に戻るだろう。その際、彼には終身議員としてのポストが用意されている」と言い切った。
もう一方のセラヤ大統領は、ブラジル大使館で開かれた会見で「草の根の抵抗を、<……>封鎖された報道機関が再開されるように。」と呼びかけた。
セラヤ大統領を追放したミチェレッティ政権は、28日月曜に、ラジオ放送局“Globo(グロボ)”とテレビ局“Canal 36(36チャンネル)”を、反(暫定)政権的として、封鎖した。
さらに火曜29日には、数人の支持者や家族と共にブラジル大使館にいるセラヤ大統領の復帰を求めて約2,000人が集まったデモを妨害した。
ブラジル政府高官セルソ・アモリム氏は、ブラジル上院にセラヤ大統領の在テグシガルパ・ブラジル大使館逗留は、今まで実現できなかった対話への道を開くと申し立てた。
セラヤ大統領の大使館滞在については、「ブラジルは正しい行いをした」とアモリム高官は延べ、米国と国際社会の支援を期待するとした。m
写真:「対話を!」と書かれたプラカードをブラジル大使館を包囲する軍隊に掲げるセラヤ大統領支持者