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マリア・ベロ 親善大使に任命

2012年10月24日 水曜日

 ハイチ共和国のミシェル・マテリ大統領は火曜日、「コヨーテ・アグリー」やア・ヒストリー・オブ・バイオレンス」などに出演する女優、マリア・ベロの女性擁護活動に敬意を示し、親善大使に任命した。

 大統領府でスペシャル・セレモニーが行われ、ベロさんは多くの報道関係者を前に2010年に発生した大地震後の避難キャンプで女性たちのおかれている状況を話した。その上で「私はこうして皆さんの声を聞き、それを世界に伝えられる立場に入れてとても幸せです」と話した。

 ベロさんは、今後ハリウッドを代表する有名人、ショーン・ペン、ワイクリフ・ジーン、ペトラ・ネムコヴァなどにも参加してもらいながら、巨大地震からの復興を支援していくという。地震からの復興は長い時間がかかるが、こうした風化させない運動が大切になってくる。(d)

ハイチ新大統領就任から2ヶ月

2011年7月25日 月曜日

 2010年に発生したハイチの大震災。その復興への道は未だ厳しい。そんな中今年5月に新たに就任したミシェル・マテリ大統領はどのように復興へ向けて動いていっているのだろうか?

 今年5月に就任したマテリ大統領はもともとミュージシャン、コンパの歌手だ。議員など政治的な経験は皆無だったが、おもに貧困層からの得票を伸ばし見事当選した。

 しかし就任から2ヶ月たった今、政治的にはなかなか難しい状況だ。というのも彼の所属する自立農民党は議会では少数派。一度は首相候補を立てて議会の承認を得ようとしたものの、逆に却下されている始末だ。

 しかしそんな中でも避難民や新たにやってくるハリケーン・シーズンは待ってくれるわけはない。しかもそんな中キャンプサイトの一つ、サッカースタジアムの駐車場で、そこにいた数百人の避難民に対して、新たな避難先を与えるでもなく、お金を払ってその場を離れるように指示していたことが新たな批判を呼んでいる。もちろんこれは大統領から直接出された指示ではない。マテリ大統領は「再三にわたって言っているが、私の政府は人権を侵害するような立ち退きをさせることについては反対だ」とした上で、現在避難している人のうちおよそ3万人を復興された16の地区に戻すことを約束した。

 しかし全体としては60万人を超えるとも言われる避難民がおり、震災から1年半たった現在でもテント生活を余儀なくされている。今後も議会との運営が焦点となるが、ハイチ政府にはより早い復興への道がたどられることを祈る。今は政治的な立場で争っているよりも復興に向けて進んでいってくれればどこの政党でもかまわないというのは国民の本音ではないか?どこの国でも政治家は復興の足を引っ張ることしかできない。(d)

ハイチ政府がワイクリフ・ジョンに叙勲

2011年7月21日 木曜日

ハイチの歌手ワイクリフ・ジョンが昨年2010年のハイチ大統領選に出馬しかけ、結果的に登録除外されたことでラテンアメリカでも話題になったが(過去のニュースはこちら)、ハイチに献身したとして21日、ハイチ政府によって叙勲されることとなった。

発表したのは5月に就任した大統領で元人気歌手のミシェル・マーテリー氏。「国家福祉に貢献」したことから叙勲を決めたという。「国中がジョンのことをよく知っているが、みんな君のことを良いように言っているよ」とマーテリー大統領は大統領広場で行われた授賞式でコメント。

2010年1月に起こった大震災で、ハイチは30万人の死者と150万人のけが人を残し現在も復興中。マーテリー大統領は、そんな中でもワイクリフ・ジョンはハイチのために国際的なイベントにも数々出席てきたと語る。また、芸能活動のため現在は米国在住のジョンに対し「ハイチ人のひとり」であり、外国に住むハイチ人としての「模範」であると褒め称えた。

一方、ジョンは受賞に対して「大変光栄である」とこたえ、ラテンアメリカでも最も貧しい国、ハイチを引き続きプロモーションしていきたいとコメントした。tae

シャキーラ、ハイチ学校再建基金を設立

2011年4月4日 月曜日



シャキーラは今週木曜にハイチを訪れた。由緒あるカトリックの女学院の再建を祝うためだった。2010年に起きたハイチを荒廃させたあの地震で、この学校も膨大な被害を受けた。

昨年開催された南アフリカでのサッカーワールドカップのテーマ曲「ワカ・ワカ」が記憶に新しいシャキーラだが、たくさんの学生たちとお尻を振って踊るなどしてコミュニケーションをとっていた。

彼女の慈善基金「裸足の基金」は暴力や災害で犠牲となった子供たちを助けるもので、40万ドルが寄付された。これは米州開発銀行が支払った額と同額で、首都ポルトープランス中心街にあるエリー・デュボワ中学校を修復するためにのものだ。

「ハイチのしっかりとした未来のための鍵となるのは教育なのだと確信している」と語るシャキーラは、グラミー受賞者で34歳。Tシャツと黒いパンツ姿で語る。

このエリー・デュポワ中学校は1913年に創立され、9つの教室があり250人の生徒が学ぶことができた。ハイチでは女子学生に職業教育を行う初めての学校だったと職員は語る。この学校の着工は数ヶ月後になり、そこからまた完成まで14ヶ月かかる予定だ。この企画の主催者はまだ現場担当者の選出は公にしていない。

被災者は首都の修復工事のための建築資材に資金を当てている。
建築家であり「人類のための建築」という修復作業を計画している社会福祉団体の責任者であるエリック・セイサルは「すべてを輸入しなければならない」と言う。
多くの若者たちはシャキーラとふれ合えることやこのプロジェクトに感激を見せている。
「スターが被災地に来て、学校を援助してくれるなんてすばらしい」と語るのはジョゼルルドさん、19歳。さらに「新しい学校でもっとたくさん学ぶ」と述べていた。Sa

米国を追放されたハイチ人がコレラで死亡

2011年2月2日 水曜日

約一年前にハイチを襲った大地震以降に米国から国外追放を受け、ハイチ国内の刑務所に投獄されていたハイチ人受刑者一名が、コレラと似た症状で死亡していたことが1日、移民擁護活動家たちの報告で判明した。

死亡したウィルドリック・ゲリエさん(34歳)は、昨年1月20日に他のハイチ人26名と一緒に米国から国外追放を受けてハイチに入国していた。彼らは米国内で何かしらの罪を犯したとして、国外追放されていた。また、地震発生から初めて追放命令を受けた27名でもあった。

ハイチは昨年1月の大地震後、コレラ菌蔓延による伝染病コレラによって4000人の死者を出し、今でも20万人の感染者を抱えている。そのように危険な状況でありながらも、国外追放者を送り込んだ米政府に対し、民間活動団体から非難する声が上がっている。

マイアミの活動家たちは、ゲリエさんが生活していた刑務所内の不衛生面を強調し、非常に死亡リスクが高かったと指摘する。米国を出国する時点では、ゲリエさんの健康状態は良好であったが、その後刑務所内において、他の17人の受刑者とともに狭い個室に押し詰められ、嘔吐や激しい下痢を始めとする症状に見舞われた。また現在、同刑務所内の受刑者の一部にもゲリエさんと同様の症状が出ていると報告されている。

米国入国管理局(ICE)は今後も有罪のハイチ人を国外追放する方針を固めており、今年は約700人をハイチに送る見通しを立てている。ICEはゲリエさんの死亡についての質問状を首都ポルトー・プリンス市に送っているが、未だ何の情報も得られていない。

現在までに多くの活動団体が、国際人権委員会に「国外追放の取り止め」を求めて声を上げてきているが、今回の事件を機にようやく正当な人権問題として議論が始まりそうだ。tae

ハイチ大地震から一年。今現地の状況は?

2011年1月13日 木曜日

2011年1月12日に発生し約23万人の命を奪ったハイチ大地震。未だに復興の途上にあり、路上には瓦礫が散乱しところどころに死体が放置されている状況で、未だ解決策は見出せないままだ。

国連の発表によると、未だ80万人ものハイチ人が「悲惨な状況下」での生活を余儀なくされており、ハイチ政府関係者が非公式に語るところでは、完全にこの状況を脱するには30年ぐらいは必要だろうと悲観的な意見を述べた。また国境なき医師団や赤十字が公表するところによると、この一年間で撤去すべき瓦礫を5%も処理できていない。

原因はハイチ政府のゴタゴタだ。昨年11月に行われた大統領選での各地方から不正を訴える声が上がり、結果デモに発展。開票結果はまだまとまっていない。今月の16日に大統領選の決選投票が行わせる予定だったが、混乱をうけ、既に延期が発表された。次期大統領の任期は2月7日からだが、その日までに新しい大統領が決定するかわからないという非常に不透明な状況にある。

またユニセフの試算した数字では38万人の子供達が難民となっており、新たな住居を見つけることが困難な状況となっている。地震の以前でさえ、およそ人口の半分しか学校に行けなかったが、地震により約4000あった学校は大きな被害をうけ、現状では公立の教育制度はほぼ崩壊。教育は私立のみが行っており、現在の若年層の多くは教育の一切を受けられない。

混乱を収拾する糸口は未だみつかっていないようだ。(i)

ハイチでコレラが蔓延、643人が死亡、10,000人が入院

2010年11月11日 木曜日

今年1月の大震災に見舞われ、もともとの政治・経済的基盤の弱さと、復興途上の不安定な状態もありハイチでコレラの伝染が恐るべきスピードで広がっている。保健省の発表によると10月に初めての感染者が確認されてから10日現在までに既に死者は643名、入院患者は10,000人にのぼったという。さらに感染者は刻々と増え続け、病院には続々と患者が押し寄せているという。

地方に暮らす患者は、病院にたどり着く途中でなくなるケースも多く、遺体は毛布にくるまれて、近くの墓地へ運ばれていると同国東部に位置するArtibonite市長がAFP通信に語った。

首都ポルトー・プリンスでは、大勢の住民が今年1月に起こった大震災以来、未だに避難用テントで寝起きしており、衛生状態も決して良好ではない。小さな子どもを含む大家族全員がひしめき合って暮らす状態にあるため、感染の度合いが高くなっていると報告されている。

これまでの発症者は首都周辺都市や地方部となっていたが、首都にも感染は広がりつつあり、死亡者が1名、入院患者数が115名となっている。
首都での唯一の死亡者は、ポルトー・プリンスで最も貧しい地区とされるシティー・ソレイユの住人であったと、首都の病院で診察に当たっている国境なき医師団ベルギー支部の医師たちは報告している。

世界保健機構(WHO、OMS)の下部組織である汎米衛生機構(OPS)は、衛生状態が最悪のレベルにある首都での感染拡大に大きな危惧を抱くと主張している。

避難用テントが立ち並ぶ多くの地区は、さらに最近ハイチを通過し、21名の死者を出した台風トーマスによる被害で水没しており、水や食べ物を媒介して感染するコレラ菌の蔓延に最も危惧すべき状態にあるという。

汎米衛生機構のアンドリュース副議長は「ポルトー・プリンスでの感染拡大に備えた対策を一刻も早くとるべきだ」とコメントした。m

ワイクリフ・ジョン疲労とストレスで入院

2010年9月28日 火曜日

先日、ハイチへの大統領選に出馬を表明したが、立候補のための法的要件を満たしていないために取りやめしていたワイクリフ・ジョンだが、この度疲労とストレスのために入院していた事が自身のツイッターのつぶやきから判明した。マネージャーが語るところでは、深刻な症状は何もなく、数日間の休養で回復する見込みだとのこと。

ワイクリフ・ジョンは、ハイチに5年以上居住していなければならないという大統領立候補の要件を満たしていなかった。彼は9年前からアメリカで生活をしている。(i)

ワイクリフ・ジョン対ショーン・ペン

2010年9月9日 木曜日

11月28日に行われるハイチ大統領選に正式立候補し承認されなかったヒップホップ・ラッパー、ワイクリフ・ジョン。承認されなかった原因として、彼自身ここ5年間はハイチに居住していなかったためとされているが、ハリウッドの著名人たちからは立候補した当初から非難囂々であったそうだ。

まず、クリント・イーストウッド監督作品『ミスティック・リバー』、『ミルク』でアカデミー主演男優賞を受賞した米国人俳優ショーン・ペン。世界中がハイチを支援しているときジョンを一度も目にしたことがないと主張。「ジョンが大統領になれば、ハイチは最悪の状態になるに違いない」と大批判。

そしてそれを耳にしたワイクリフ・ジョン。「ペンにメッセージがある。お前がハイチで俺を見てないのはコカインを吸うので忙しかったからだろう」とニューヨーク・デイリーニュースを通じて反発。

ショーン・ペンはそれに対し、無責任で不適切な発言だとし、非合法のドラッグを使用しているというのも事実無根だと主張。ショーン・ペンは「Haití Relief Organization(ハイチ救済団体)」のスタッフとしてハイチの人道的援助に携わった。「当団体はどんな非合法ドラッグも受け入れないポリシーがある」とワイクリフ・ジョンの発言に火花を散らす。tae

ワイクリフ・ジョン、ハイチ大統領選候補者承認ならず

2010年8月20日 金曜日

先日もお伝えした、元フージーズのリーダー、ハイチ系米国人ワイクリフ・ジョンのハイチ大統領選立候補だが、ハイチ選挙管理委員会のメンバーから伝えられたところによると、ワイクリフは11月28日の大統領選への立候補に必要ないくつかの条件を満たしていないため、承認候補リストに名前が入っていないという。

ワイクリフ出馬の報道は、彼の母国でもあるハイチで熱狂的に迎えられた。
ある選挙管理委員は、「これまでのところワイクリフの名は承認候補者リストにない」と匿名希望でReuters通信にコメントした。
理由はワイクリフが出馬に必要ないくつかの法的条件を満たしていないためとコメントしたが、詳しくは述べられなかった。
金曜日には、正式な候補者が公示される予定だ。

ワイクリフは今月に出馬のために必要な書類は、全て提出したとのこと。ワイクリフは、他の34名の大統領選立候補者のうちの一人だった。
木曜日には首都のポルトー・プリンスで現職大統領レネ・プレヴァルと会談し、一緒に記念撮影した写真がワイクリフのTwitterにも掲載されていた。これまでに彼自身のコメントは公表されていない。

Reuters通信にコメントを寄せた選挙管理委員によると、立候補が認められなかった場合、暴力的な抗議行動も辞さないとしているものもいるという噂もあるという。
「もう、マチェーテ(山刀)を購入して支持者に配ったと言われたんだ(…)でも、我々は我々の仕事をしているのだ、人々が何をしようと、言おうと責任を果たすだけだ」と述べた。m