9月30日の警官たちによる「クーデター未遂」から一夜明けた10月1日、エクアドルはラファエル・コレア大統領の統治のもと事態の収束に向かっているが、エクアドル政府は事態を重く見て、まだ予断は許さないとする旨のコメントを発表した。
コレア大統領は、30日に、治安警備員らの給与引き下げ政策に反対する警官らに襲撃され、向かった先の病院で一時軟禁状態に置かれたところを、軍隊によって救出された。
首都キトのほぼ全ての地区を、給与値下げに抗議する警官が制し、ラファエル・コレア大統領は警官たちを落ち着かせるために現場に向かったが、催涙ガスの降る中、その場に集まった警官たちから非難され、押され、殴られるなどされた。
襲撃されたため、そのまま近くの病院に向かったが、病院周辺を警官に封鎖され、軍隊によって救出されるまで軟禁状態になった。
救出された大統領は30日夜に、事態の収束を宣言したが、今回のキトとグアヤキルでの「クーデター未遂」の引き金となり、一部の反感を招いた給与引き締め政策推進の闘いは終わらないと述べた。
政府高官リカルド・パティーニョは新聞記者たちに「まだ完全な勝利は歌えない、現在事態は収束に向かっているが、確証はない。クーデターを企てたものの根はまだここにあるはずで、それを見つけて引き抜かなくては」と、コメントした。
コレア大統領は、この反乱の首謀者たちを許しも、忘れもしないとし、10月1日に検察庁が事件の調査を始め、3人の大佐を事情聴取した。
エクアドル国内とラテンアメリカ全体を不安に陥れた今回の事件の後、警察長官フレディー・マルティネスは、自分の警官隊への管理不足を述べて辞職した。
首都キトでは金曜日に商店などは店を開いたが、大統領府は軍隊の厳重な警戒の元に置かれ、道を歩く人はわずかだったと、Reuters通信の記者はいう。
1日金曜からエクアドル内の全ての学校が、期限を定めず休校となり、他の街でも軍隊による見回りが実施された。
30日に発布された特別法により、5日間の間、軍隊が警察機能を担うと発表された。
国防長官ミゲル・カルバハルは、「木曜日のような、警官が消滅してしまうような混乱を繰り返してはならない。状況が完全に落ち着くまで、軍隊が警察と一緒になって活動に当たる。」と述べた。
内務大臣グスタボ・ハルケによると、大統領支持者への警官による襲撃も含めて、30日の衝突で、警官2名と学生1名が死亡、193名が負傷したという。
アメリカ大陸とヨーロッパの各国首脳が、コレア大統領への支持を明確に提示したのに対し、米州機構は公正な解決を支援する発表した。
南米各国の政府高官はアルゼンチン、チリ、コロンビア、ボリビア、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ大統領が集まったブエノスアイレスでの特別会談の後、コレア大統領支持表明のためエクアドルに到着した。
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバは「われわれ民主主義者たち全員が、このエクアドルのクーデター未遂を厳重に罰するべきであり、ラファエル・コレア大統領への無条件の支援を行うべきだ」とコメントした。
また、米州機構事務総長ホセ・ミゲル・インスルサは1日エクアドルに飛び、大統領への個人的な連帯を表明した。
米国国務長官ヒラリー・クリントンは1日、コレア大統領と電話で会談し、「エクアドルの正しい政府と体制強化に協力する」ことで合意したと、発表された。
「国務長官は、大統領とエクアドル政府への支持を表明し、素早く平和的な秩序の回復を願うと激励した」と記者会見で米国国務省広報部から発表された。m