ブラジル・デイ2016がロンドンで開催!!

日本にも来日公演したトゥリッパ・ルイスが出演した

日本にも来日公演したトゥリッパ・ルイスが出演した

 

小雨が降り続ける9月10日の土曜日のロンドン。ネルソン提督の記念碑がそびえたつトラファルガー・スクウェアで、ブラジル・デイ2016が開催された。大盛況に終わったリオデジャネイロ・オリンピックを祝い、9月7日から始まったパラリンピックを応援し、ホスト国ブラジルの文化を皆で楽しもうという無料イベントである。

開始は昼の12時。それに合わせたかのように雨が降り始め、なかなか止む様子のないあいにくのお天気ではあったが、会場は多くの若者たちで溢れていた。

ネルソン提督の記念碑の真正面に大きなステージが設置され、広場全体を囲うようにカイピリーニャやビール、シュラスコにフェイジョアーダなどを販売するテントが並ぶ。広場の北側に面するナショナル・ギャラリーの前には、パラリンピックのスター競技でもある車椅子バスケットボールのコートが設置。誰でも体験できるようになっていた。その脇には約10メートルの陸上トラックがあり、子供も大人もタイムを競って盛り上がっていた。

その間メイン・ステージではDJ Limaoによるゆるい感じのパフォーマンスが続き、ちょうど16時を過ぎた頃、サンパウロ出身のトゥリッパ・ルイス(Tulipa Luiz)が登場。都会的でインディーなムードも漂うポップスを次々と展開していく。ステージ前を陣取っていた若者たちは、彼女目当てで来ていたのだろうか、演奏が始まると気持ちよさそうに体を揺らし始めた。

その後、リオ・オリンピックの射撃種目、男子10mエアピストルで銀メダルを獲得したブラジル人選手フェリペ・ウー(Felipe Wu)が登場。

この他ゼウ・アゼヴェード(Zeu Azevedo)率いるフォホー・バンドやカポエイラのグループがパフォーマンスを披露。最後にイベントを締めくくるトリとして、メタ・メタ(Meta Meta)なるトリオがバンドで登場した。彼らはJucara Marcalという女性シンガーを中心としたサンパウロ出身のグループで、フュージョンやパンク、ジャズを足したようなグルーヴィーなステージで観客を魅了した。Jucara Marcalの歌い方が時に呪術的というか、彼女の不思議なカリスマが印象に残るライヴだった。

ブラジルの代名詞とも言えるサンバもカーニバルもボサノバもない、音楽的にはなかなかアヴァンギャルドなイベント。オリンピック、パラリンピックの話題をバランスよく交え、雨に濡れても皆が笑顔になるような楽しい午後だった。

(ロンドン●岸 由紀子)


こちらの海外ニュースは月刊ラティーナ10月号に掲載されています。
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