バンドネオン奏者オスバルド・モンテスが逝去

OSVALDO MONTES FOTO SORIA

 オラシオ・サルガン楽団、アティリオ・スタンポーネ楽団、エンリケ・マリオ・フランチーニ楽団、マリアーノ・モーレス楽団、レオポルド・フェデリコ楽団など、数々のタンゴ名楽団でバンドネオン奏者として活躍した巨匠、オスバルド・“マリネーロ”・モンテスが7月4日、ブエノスアイレスで息を引き取った。80歳だった。

 1934年1月8日、ロサリオ生まれ。13歳にしてラウル・ビアンチ楽団でデビューし、その後10年間にわたって同楽団で研鑽を積んだ。

 ギタリストのアニバル・アリアス(2010年没)と組んだデュオは、タンゴの歴史を刻む名デュオとして知られ、1962年にはレオポルド・フェデリコ楽団に入団し、歌手フリオ・ソーサの伴奏も務める。ソーサの死後は、幾多もの楽団で活動の幅を広げ、なかでもオラシオ・サルガン楽団の第一バンドネオン奏者としての活躍が最もよく知られている。

 名コンビ、アニバル・アリアスと残した音源は『フントス・ポル・エル・タンゴ』(1997年)、『ビエン・タンゲーロス』(2007年)等。DVDシリーズ『ブエノスアイレス、タンゴの昼と夜 3』や、最近ではアニバル・トロイロに捧ぐオマージュ・アルバム『トロイロ・コンポシトール』(2012年)にも参加し、「ア・ラ・グアルディア・ヌエバ」の名奏を残した。
 ご冥福をお祈りいたします。tae