ノーベル賞作家ガルシア・マルケス死去

 ノーベル文学賞作家のガブリエル・ガルシア・マルケスがメキシコ現地時間の17日に死去した。87歳だった。家族に見守られながらの最期だったという。

GGM

偉大な作家の訃報に、メキシコシティ南部のペドレガルにある自宅には報道陣が一斉に群がる中、最初に到着したのは公私ともに交流のあったジャーナリスト、作家、ラジオDJのフェルナンダ・ファミリアール(Fernanda Familiar)、続いて無二の親友であるコロンビア人作家ギジェルモ・アングーロ(Guillermo Angulo)が駆けつけた。
 2014年3月31日より肺の感染症で入院、 危篤説をはじめ様々な憶測が流れたが、妻のメルセデス・バルチャをはじめ、家族は具体的な病状は明かさぬまま1週間ほどでで退院。その後は自宅療養中であったが、真相は10年前に患ったリンパ腺ガンの再発だった。

 ガボ、ガビート、名前の頭文字をとってGGM、「電信技師の息子」などの愛称で親しまれたガルシア・マルケスは1928年コロンビアのアラカタに生まれる。父ガブリエル・エリヒオ・ガルシアと母のルイサの結婚は、当初ルイサの両親からの反対で一度別れさせられるが、ガブリエルの懸命な説得により晴れて2人は夫婦となった。両親の結婚の経緯から着想を得て「コレラの時代の愛」が書かれたと言われている。ガボが生まれた直後に両親は薬剤師になるべく、別の街へと引っ越すことになり、一家が安定するまで幼いガボは母方の祖母に預けられる事になった。この祖母が読み聞かせてくれた神話や幽霊の話が基になり、1967年発表の「百年の孤独」に大きな影響を与えたという。ノーベル文学賞受賞のきっかけとなった同作品は世界各国で翻訳、大ベストセラーとなり日本でのラテンアメリカ文学ブームのきっかけとなった。

ラテンアメリカのセルバンテスと称される世界の文豪ガルシア・マルケス。
ご冥福をお祈り致します。(Yu)