サルサの帝王、チェオ・フェリシアーノが事故死

 プエルトリコ出身のサルサ歌手、チェオ・フェリシアーノ(本名:ホセ・ルイス・フェリシアーノ・ベガ)が17日、プエルトリコ市内で自家用車を運転中に交通事故を起こし死亡した。チェオは事故当時、シートベルトを装着していなかった。享年78歳だった。

 事故が起こったのは、17日午前4時13分。市内のクペイ地区にある自宅へ車で帰宅しているところ、自宅付近でハイスピードのままコンクリートの広告柱に激突、そのまま帰らぬ人となってしまった。

 事故現場に駆けつけた長男ホセ・エンリケ・フェリシアーノは「なぜ父がこんなに遅い時間に帰宅していたのかわからない。ここ数日は週末に予定しているアカプルコでのライヴの準備で忙しくしていたはずなのに。ミーティングで(帰宅が)遅くなったのか、常服していた薬の副作用で居眠りしてしまったのか……車は道路外に飛び出てしまっているんだから……」と涙ながらに語り、「神のご加護のもと、父の音楽は私たちのなかで生き続けます」とコメントした。

 チェオ・フェリシアーノ、1935年7月3日ポンセ市生まれ。ファニア・オールスターズ、NYのジョー・クーバ楽団の歌手として活躍し、76年にはファニア・オールスターズで来日するなど、プエルトリカン・サルサを代表する歌声としてシーンを牽引してきた第一人者。「アマーダ・ミア」「アナカオナ」「ミ・トリステ・プロブレマ」等のヒット曲を残し、また最近では、2012年にルベン・ブラデスとの共作『EBA SAY AJÁ』を発表し、サルサ界でも大きく話題となった。

 プエルトリコ政府はチェオの死を受けて、国民に3日間喪に服すよう発令。伝説の歌い手のあまりにも呆気ない死はあまりにも残念だ。まだまだ歌い続けてほしかった。合掌。t