キューバ音楽の伝説ベボ・バルデスが94歳で逝去

3月22日、キューバを代表する伝説的ピアニスト/作曲家ベボ・バルデスが亡くなった。死因はアルツハイマー。94歳だった。

ベボは、セリア・クルスらと並んでキューバ音楽の黄金時代を謳歌した第一人者であり、アフロ・キューバン音楽の確立者としても知られる。キューバ革命後のフィデル・カストロ独裁政権への反抗心から、1963年にはスウェーデンのストックホルムへ移住。その後母国キューバの地を踏むことはなかった。そして50年住み続けたストックホルムで22日未明、この世を去ることとなった。

息子のチューチョ・バルデスは2週間前、一時的に入院していたスペインのマラガにある病院で父のもとについていたという。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの元パーカッショニスト、アマディート・バルデスは「ベボの孫(ロス・バンバンのロベルト・カルロス・ロドリゲス)から、今日祖父が亡くなったと電話があったんだ。ベボはキューバ音楽の30年代を代表するすばらしい人物だった。音楽界は偉大なものを失ってしまった」と語る。

ベボの遺した作品は、パキート・デリベラの誘いで録音した1994年作『ベボ・ライズ・アゲイン』、そして2003年にスペインの歌手ディエゴ・エル・シガーラとともに制作したアルバム『ラグリマス・ネグラス(黒い涙)』は世界的ヒットを記録し、グラミー賞も受賞した。

ベボの遺体は、昨夏亡くなったベボの妻ローズ・マリーも眠るストックホルムの墓地に埋葬される予定だ。合掌。tae

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