スピネッタ最後の作品は映画の中で

アルゼンチン・ロック界を牽引し続けてきたルイス・アルベルト・スピネッタ。2月8日で没後1周年を迎えた。たくさんのミュージシャンが彼のオマージュコンサートを開催し、たくさんのファンが彼への想いを馳せた。そんな中、新たなニュースが。

彼が生前、自身の曲「Bajan」「Todas las hojas son de viento」(1973年のアルバム『Artaud』に収録)を映画のサウンドトラック用にアレンジし直していた。 ダニエル・ヒメルベルグ監督による長編映画『Antes』のためにアレンジされたもので、3月よりアルゼンチン国内で公開予定だ。またこの2曲以外の音楽は、同じくアルゼンチン・ロック界の重鎮フィト・パエスが担当している。

ヒメルベルグ監督によれば、彼がスピネッタに出会ったのは2010年10月、もともとフィト・パエスとこのサウンドトラックのレコーディングをパエス邸にて行っていた最中のことだったようだ。

映画のストーリーは、青年ナチョの人生がある出来事から2つに枝分かれしてしまうというもの。一方は友達、家族、そして恋人アナと過ごす平穏な人生、もう一方は暴力に染まった人生。アナへの愛だけが唯一の救いとなる……。

おそらくこれがスピネッタがこの世に遺した最後の作品といわれている。映画の中でまたスピネッタの音楽に出会えるのを心待ちにしているファンはどれだけ多いことか。Sa

映画『Antes』トレイラー(こちらはフィト・パエスやスピネッタとのレコーディング前に制作されたもの)

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