チリ鉱山事故のその後

昨年8月にチリ北部のコピアポ近郊の鉱山落盤事故は、世界中に報道され奇跡の生還を果たした33人を一気に有名人にした。しかしその心に刻まれた傷は深く、33名のうち14名は年金受給の早期開始を希望している。

2010年8月5日に発生した今回の落盤事故。これまでも多くの鉱山労働者が落盤事故で亡くなっているチリでは、生存は絶望視されていた。しかし18日後に待避所へ到達したドリルの先端には、なんと33名全員の無事を伝える旨の手紙がくくりつけられていた。しかしそれまでの耐久生活はすべての人間を絶望へ追いやり、心に深い傷をつけるのには十分な時間で、今でも救助された全員が発生から地上と連絡の取れる18日間については多くを語ろうとはしない。非常に乏しい非常用の食料は、33人の体重を平均で10kg落とさせ、さらに底をつきかけていた。

その後、奇跡的な救出劇へと形を変えたわけだが、生還からは鉱山労働者としての仕事を続けることは難しいと話していた。そして事故当時現場監督を務めていたルイス・アルベルト・ウルスアさんがエル・メルクリオ新聞に語ったところによると、彼を含む14名の人間が身体的、また精神的に患っており、再び仕事に就くことが不可能だと話した。

チリ内務省が同新聞に話したところによるとここ1ヶ月以内に月428ドルほどの年金支給をするかセバスチャン・ピネイラ大統領から決定が下るとしている。(d)

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