<チリ火山噴火>サケ養殖業にも被害

今月4日に起こったチリ・プジェウェ山の大噴火による被害が明らかになってきた。

噴火によってまき散らされた火山灰が、チリ南部の河川や湖を汚染し、チリの主要産業であるサケ養殖業に打撃を与えている。なかでも国内第三位のサケ養殖業区であるランコ湖とプジェウェ湖の汚染度が高く、チリ国立漁業サービス(Sernapesca)によると、現在までに少なくとも500万匹のサケの死体が発見されている。専門家によると、ランコ湖に繋がる支流ニラウェ川の水温は現在40℃に上っており、その水温では水中動物は生存不可能であると報告している。

チリはサケ養殖業においてノルウェーに次ぐ世界第二位の国。2009年のサケ総輸出額は21億7400万ドルだ。自然災害にかなわないのは我々日本人も東日本大震災で実感したが、チリの漁業者たちもサケの死体を目の前にそれを体験していることだろう。

また火山灰の被害はチリの他、近隣国のブラジル、アルゼンチン、ウルグアイにも広がっており、火山灰で形成される雲が航空機の飛行を妨げることを理由に多くの空港が閉鎖されている。徐々に空港は再開し始めているが、航空会社は運転を見合わせているところも多い。tae

タグ: