プエンテ・セレステ、結成10周年を迎えて



 アルゼンチンのグループ、プエンテ・セレステが今年で結成10周年を迎えた。10周年という節目を迎え、メンバー、とりわけギター・ボーカルのエドガルド・カルドーソとマルセロ・モギレフスキーはこう語った。


 エドガルド・カルドーソ(ギター・ボーカル):バンドの結成を提案したのはサンティアゴ・バスケス(パーカッション・ボーカル)で、彼の考えは皆を指揮したいというものとは違っていて、僕たち全員から作品のテーマやアイディアを集ったんだ。サンティアゴのプロジェクトというよりは、ひとつのグループという考えだった。

 マルセロ・モギレフスキー(管楽器・ボーカル、結成後に加入):サンティアゴが「みんなで一緒に騒いで、Tシャツを着るようなラフな人たちでグループを作りたい」と言って誘ってくれて、そこで僕は他のメンバーと出会ったんだ。その時からこの5人の“プエンテ・セレステ”が始まって、このスタイルが固まったんだ。


 特定のリーダーなしにどうやってグループの方向性を決めていったかについては次のように話す。

 カルドーソ:方向性を決めるというより、少しずつ自ずと答えが出てきたんだ。僕たちが始まった所は、階段もカーテンも食べ物もなくて、空気も綺麗じゃない、そんな汚い部屋から始まったんだ。僕たちも汚い部屋みたいなものだね。汚いけど、面白い人がいる音楽室と言ったらいいかな。(中略)メンバーそれぞれが持っているもの、持ち寄ったものが皆に溶けて、その後で公共の場にぽいっと放り出される、そんな感じの所だったよ。それはね、僕たちと社会との間のいい発見につながったんだ。(中略)定義なんかなく、ノープランにやっていたよ。「皆でなにかをして、そこになにかが見えてくる」という感じだった。


 彼らの音楽はジャンルに囚われないものだが、曲を作る時の様子についてはこう語っている。

 モギレフスキー:それぞれアイディアを持ち寄って、グループで試してみて、嫌だということもあれば、そのまま採用することもある。でもいつでも、敬意を持ってお互いのアイディアを聞くことにしているよ。(中略)どの種から出た芽が実をつけるかなんてわからないし、一人でやっても実らなかったアイディアが、グループだと実ることもあるからね。こういうところにプエンテ・セレステの個性がでるよ。他人の意見は暖かく聞き入れて、それでいて正直なんだ。


 そもそもこの“プエンテ・セレステ”というプロジェクトは10年も続く予定だったのだろうか。

 カルドーソ:僕としてはこんなに続く予定ではなかったよ。ただ、グループは何のプランもなく続いてる。それってなんだか活気のあることだよね。リアルタイムで、皆の意欲と気力、あとは体力に任せた、永続的なプロジェクトなんだ。

 モギレフスキー:数ヶ月の間このプロジェクト自体が眠っていた期間があったんだ。その期間もこの5人の関係の一部ではあるんだけど、僕にとっては普通じゃなかったね。もっと、芸術的な活動をしなくちゃならないと思う。僕たちは普通の会話をしながらコーヒーを一緒に飲むための友達じゃなくて、音楽に引き寄せられた仲間なんだ。音楽をやるプロジェクトなんだ。それも手荒な方法でね。5人のアーティストが音楽に引き寄せられた時は、すごくパワフルになるんだ。そしてこの10年で仕事でもプライベートでも色々なことを経験してきて、5人がここには何か特別なものがあって、誰もお互いを失いたくないと思っている、そう感じているんだ。


 今回のインタビューでは、彼らの口から最新作の告知はなかったが、アルゼンチンのネオフォルクローレ界を牽引するグループとして今後の活躍に大いに期待しよう。Sa

プエンテ・セレステ オフィシャル・サイト

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