『パエビルー』のルーラ・コルテスが61歳で亡くなる

1975年にゼー・ハマーリョとの共作で発表した『パエビルー』。ブラジル初のサイケデリック・ロックとも称される金字塔──2008年にミスターボンゴからリイシューされるまでは中古市場でオリジナルLPが6桁オーバーで取引されていたという激レア盤。その作者であるルーラ・コルテスが先週の土曜日に喉頭がんにより61歳の生涯を終えた。

シコ・サイエンス以降90年代からはレシーフェ発の“マンギ・ビート”というムーブメントによりブラジル北東部の音楽とロックとの融合は世界中で評価されてきたが、ルーラ・コルテスは70年代にそれを体現してきたパイオニアだ。前述の『パエビルー』はオリジナル盤は300枚のみのプレスだったため、全世界でレア盤となった。ブラジルでも現在24万5,000円の高値がついている。日本ではミスターボンゴ盤のCDがP-VINEから発売されている。嫌でも耳に付くアシッドなベースライン、プリミティブというようよりはもはや土着的が過ぎるパーカッションに突如何の断りもなく絡んでくる、なにそれ!?というようなフルートやエレキギター。呪術的でもあるボーカル&コーラス、ドープな中に、ノルデスチ特有のほっこり聴かせるシンプルな美メロ。サイケデリックの境地……。

2010年には『パエビルー』の世界に惚れ込んだ映画監督、クリスチアーノ・バストスとレオナルド・ボンフィンによるドキュメンタリー『ナス・パレーヂス・ダ・ペドラ・エンカンターダ』に出演している。

喉頭がんに苦しみつつも、1週間前にはサンパウロでアルセウ・ヴァレンサのショーにゼー・ダ・フラウタとともにゲスト出演。70年代を彷彿とさせるパフォーマンスを見せたようだ。F

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