フォルクローレの巨匠アルヘンティーノ・ルナ逝去

アルゼンチンのフォルクローレを代表する歌手アルヘンティーノ・ルナが長い闘病生活を経て、19日夜ブエノスアイレス市内の病院で生涯の幕を閉じた。享年69歳だった。親類によると、ルナは2月末より同病院に入院しており、死因は長年患っていた病気の悪化によるものだとしている。

アルゼンチン・フォルクローレ界の大巨匠アルヘンティーノ・ルナ。本名はロドルフォ・ヒメネスで、ブエノスアイレス州内のヘネラル・マダリアガ地区で生まれた。ルナの名を国中に広めることとなった代表曲 “Zamba para decir adiós”をはじめ、”Mire qué lindo es mi país paisano”、”Mirá, lo que son las cosas”、”Pero el poncho no aparece”、”Me preguntan cómo ando” など300曲以上の作曲を手がけた。フォルクローレ歌手として、そしてアルゼンチンの国民的歌手として幅広い層からの人気を受け、パルマ・デ・プラタ賞、リモン・デ・オロ賞、ガルデル・デ・オロ賞、チャルーア・デ・オロ賞(ウルグアイ・フォルクローレの最高賞で、第一回目はチャランゴ奏者ハイメ・トーレスが受賞)などを数々の受賞を経験し、音楽界からも高い評価を得たアーティストの一人であった。

プライベートでは生涯で二度の結婚を経験し、5人の子どもを授かっている。今年の6月21日で70回目の誕生日を迎える予定だったがそれを前にしてこの世を去ってしまった。家族、音楽を愛した偉大なアーティストであったとアルゼンチンの各紙でも彼の死を惜しむ声は止まない。

「ビダ(人生)にいつも感謝している。なぜなら、年々に増して家族や友人を愛すことができるからだ。アサード(アルゼンチンの肉料理)の肉汁がこべりついたテーブルをいつも家族で囲んでパリーシャ(バーベキュー)がしたい。テーブルが汚れているということはつまり、家族が頻繁に食事をしているという証拠なんだ」アルゼンチン・ルナは生前にそんな言葉を残している。日本からも追悼の念を捧げたい。tae

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