テノール歌手ドミンゴ 13年ぶりにブエノス公演が実現


「我が愛しのブエノスアイレス」を熱唱するプラシド・ドミンゴ

23日夜、テノール歌手として世界的に活躍するスペイン人歌手プラシド・ドミンゴが、ブエノスアイレスの7月9日通りに特設されたステージでコンサートを行った。12万人を超える大勢のブエノスアイレス市民を前に、オペラをはじめサルスエラ(スペイン歌劇)そしてタンゴを披露した。

コンサートは、女性歌手ビルヒニア・トラのソプラノを加え、演奏はコロン・フィルハーモニー楽団、国立シンフォニー楽団、ラプラタ・テアトロ・アルヘンティーノ楽団によって行われた。ドミンゴはイタリア・ロマン派音楽の作曲家ジュゼッペ・ヴェルディやカルロス・ガルデルなどを含む数多くのレパートリーを計3時間歌い続け、「ボルベール」「場末のメロディー」「我が愛しのブエノスアイレス」などタンゴが流れると観客からも大きな歓声が上がった。

ドミンゴのアルゼンチン公演は実に13年ぶり。もともとは21日にコロン劇場で行う予定であったが、同劇場の従業員らが起こすストライキにより急遽中止となっていた。そのためコンサートの冒頭でドミンゴは、昨年から労働環境改善を訴え続けるコロン劇場の従業員らとその家族に向けてエールを込めた一曲を歌い捧げた。約30分間歌い続け、曲が終わるとステージに向かって投げキッスを送り、ドミンゴのデビュー40周年となる2012年には、もう一度この場所に戻りオペラでお祝いをすると観客に宣言した。

またドミンゴは、コロン劇場の従業員、劇場幹部、ブエノスアイレス市政府に対し「コロン劇場が一刻も早く前進できるように、和解して欲しい」と解決を促した。tae

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