ハイチでコレラが蔓延、643人が死亡、10,000人が入院

今年1月の大震災に見舞われ、もともとの政治・経済的基盤の弱さと、復興途上の不安定な状態もありハイチでコレラの伝染が恐るべきスピードで広がっている。保健省の発表によると10月に初めての感染者が確認されてから10日現在までに既に死者は643名、入院患者は10,000人にのぼったという。さらに感染者は刻々と増え続け、病院には続々と患者が押し寄せているという。

地方に暮らす患者は、病院にたどり着く途中でなくなるケースも多く、遺体は毛布にくるまれて、近くの墓地へ運ばれていると同国東部に位置するArtibonite市長がAFP通信に語った。

首都ポルトー・プリンスでは、大勢の住民が今年1月に起こった大震災以来、未だに避難用テントで寝起きしており、衛生状態も決して良好ではない。小さな子どもを含む大家族全員がひしめき合って暮らす状態にあるため、感染の度合いが高くなっていると報告されている。

これまでの発症者は首都周辺都市や地方部となっていたが、首都にも感染は広がりつつあり、死亡者が1名、入院患者数が115名となっている。
首都での唯一の死亡者は、ポルトー・プリンスで最も貧しい地区とされるシティー・ソレイユの住人であったと、首都の病院で診察に当たっている国境なき医師団ベルギー支部の医師たちは報告している。

世界保健機構(WHO、OMS)の下部組織である汎米衛生機構(OPS)は、衛生状態が最悪のレベルにある首都での感染拡大に大きな危惧を抱くと主張している。

避難用テントが立ち並ぶ多くの地区は、さらに最近ハイチを通過し、21名の死者を出した台風トーマスによる被害で水没しており、水や食べ物を媒介して感染するコレラ菌の蔓延に最も危惧すべき状態にあるという。

汎米衛生機構のアンドリュース副議長は「ポルトー・プリンスでの感染拡大に備えた対策を一刻も早くとるべきだ」とコメントした。m

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