キューバ人への過剰な手荷物検査で抗議

 キューバ政府は火曜日、アメリカ合衆国を通過するキューバ人に対しての手荷物検査が、他と比べて念入りに行われていることに抗議してアメリカ合衆国外交官を召還した。

 今回問題となっているアメリカ合衆国のはアメリカの国際空港での手荷物検査がキューバ人に対して執拗になるとホセフィーナ・ヴィダル・フェレイロキ外務省北米担当局長は訴えており、経済封鎖に次ぐ、敵対行為として強く抗議している。

 この件の背景にはもちろんクリスマスのデトロイトで発生したテロ未遂事件を受けて、空港での手荷物検査を強化した影響がある。中でも4カ国、キューバ、イラン、スーダンとシリアはテログループに対しての援助行為の疑いが強いとして、特に検査が厳しくなるとしていた。

 しかしながらキューバは1980年代からこういったリストに挙げられていたが、それは共産主義国に対するアメリカ合衆国の制裁を象徴するものであり、テログループの援助をしている国としてではなかった。今回の措置はテロリズムではなく政治的な目的のみでキューバが検査強化国としてあげられており、50年近く続く経済封鎖に並んで根拠のない敵対行為以外の何者でもない。

 去年オバマ大統領が就任した際には、キューバ政府を始めこれまで敵対的な関係だった諸国の代表が次々に外交政策に変化を来していたものの、すでに大統領に対する意見は強く批判的なものがまた出てきている。昨年12月にはフィデル・カストロ前議長はオバマ大統領に対して、「あの友好的な笑顔を浮かべるアフリカ系アメリカ人の顔の下にはワシントンのラテンアメリカ諸国に対する悪意が隠されている」とまで激しく非難していた。今後もアメリカ合衆国は合衆国であり続けるのか。(d)

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