リオの大雨で宿泊キャンセル相次ぐ

 昨年末に降った大雨でリオを中心に死者が出るなど大きな被害が報告されているが、特にリゾート地であるグランヂ島(Ilha Grande)では、大規模な土砂崩れなどが年末をリゾートで過ごそうと集まった人々を直撃した。

 この影響で、グランヂ島にある宿泊施設では予約のキャンセルが相次ぎ、現在のところ、予約のうち70%が解約される見込みだという。この島の宿泊施設の組合長であるセーザル・アウグスト・ドス・サントス氏は「われわれはこの状況に愕然としている。加えて、この時期は一年の中でも特に大事な時期。この状況が続くようならば、われわれ宿泊関連の施設や会社の損失が増してしまうし、観光客ひとりがキャンセルをすれば、レストランでの食事や店の品物、遊覧船の使用などもなくなるわけで、地域全体の経済にも損失が出てしまう」と話している。

 また彼もひとつの宿の経営をしていて、26ある部屋のうち、現在は12部屋しか埋まっていない状態だと言い「総額からみれば私の損害は小さい方。でもどうしても言いたいのはきちんとした情報や報道を流して欲しい、ということ。私の宿やその他大多数の宿のあるVila do Abraão(アブラアゥン地区)やその他の地区では、大きな被害のあったバナナル海岸のような状況はなく、いつもと同じ生活を送っているのを知って欲しい。島の外に住む人達の中には、このグランヂ島には1つか2つのホテルしかない、と思っている人もいるんだから」と災害によって新たな問題点も見えてきたようだ。ちなみに、セーザル氏によると現在島全体で145の宿があり、そのうち95棟はアブラアゥン地区にあるそう。

 別の宿主も「この状況は2月中旬のカーニヴァルの時期まで続きそうだ。いつもなら島内のホテルはほとんど満室になる時期なのにね…。今日もキャンセル分で1万レアル(現在の日本円にすると約53万円)も損したよ。このハイシーズンの時期にアブラアゥン地区のホテルが20%しか埋まってないないなんて…」と落胆した様子。

 また今日の現地のニュースではサンパウロやリオ・グランデ・ド・スルなどでも先週末から強い雨が降っているようで、さらなる被害がないように祈るばかりだ。T

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