ジャクソン・ド・パンデイロ没後35周年追悼メモリアルライヴ

ジャクソン・ド・パンデイロ

ジャクソン・ド・パンデイロ

第28回ブラジル音楽賞がリオの市立劇場で行われた翌日、7月20日に同じ劇場で、ブラジル全土で絶大な人気を誇る、ノルデスチ・コーコの伝道師、ジャクソン・ド・パンデイロのトリビュート・ライヴ『Jackson Brasileiro』が行われた。
1982年7月10日にこの世を去った、パライーバ州出身の作曲家、歌手の没後35周年追悼メモリアルライヴが、第1回目となったFestival Harmonia(ハーモニー・フェスティバル)として開催された。このイベントの企画者によって、現在までに8万人の子ども、青年たちが恩恵を受けてきた。彼女は、最愛の息子を癌で失い、その後、本の出版や子供達への医療活動を支援する団体を立ち上げ活動を続ける女性弁護士、へナータ・コルデイロ・ゲーハで、これが彼女の最初の音楽イベントであった。この日のチケット売上収益金も、ブラジル・リハビリテーション協会の再建設費用と、リオのガンボア地区に位置する小児眼科外科病院への医療機器配備費用に寄与された。
音楽監督を務めたのはキャリア抜群のマルチ・リード・プレイヤー、カルロス・マルタ。そして彼が率いるカルロス・マルタ&ピフィ・ムデルノが主演となり、ゲスト出演にレシーフェ生まれのシンガーソングライター、音楽プロデューサー、編曲家であるレニーニ、今や国民的なアイドルの地位を確立し、抜群の歌唱力と美貌を誇るナタール出身の女性ボーカリスト、ホベルタ・サー、そしてインストゥルメンタル管楽器グループ、トリオ・カピトゥが参加しコーコ・サンバ・バイアオンの数々の北東部リズムで名曲を演奏した。前日のブラジル音楽賞でアーティストのバックミュージシャンを務めていたマルコス・スザーノは2日連続にして歴史的なクラシック劇場での演奏となった。
音楽監督を務めたカルロス・マルタは、テクニカルな演奏だけではなく1739席のキャパシティを有する劇場であっても、リハーサルではなかったと思われるアレンジに外した指示で演奏家たちを乗らせ、観客と音楽でエネルギッシュにコミュニケーションを取り、会場を一気に盛り上げた。しかしながら唯一残念だったことは、クラシック劇場だった為、オーディエンスが立ち上がりリズムに合わせ踊れなかったことであろうか。このライヴの全曲目がジャクソン・ド・パンデイロとは言えども、レニーニのヒット曲で代表作、ジャクソン・ド・パンデイロを追悼した曲「Jack Soul Brasileiro〟は欠かせることが出来ない作品であった。この追悼メモリアル公演は、年末までに再演される予定である。

(リオデジャネイロ●MAKO)


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