ロンドンに4人のファディスタが集結 〝ファド・シリーズ〟で4人の若手がライヴ!

ルイーザ・ホーシャ

ルイーザ・ホーシャ

今やファドの世界的スターとなったマリーザ。イギリスのワールド音楽ファンの間でも、彼女の人気は相変わらず根強い。
2001年に『Fado em Mim』(私の中のファド)でデビューしたマリーザは、翌年の夏にイギリス最大のワールドミュージック・フェスティバルWOMADに初出演。ブロンドのベリー・ショート・ヘアに、ドレスの下には縞模様の長靴下を履いたポップな出で立ちで現れ、多くの聴衆を一気に虜にし、ファド旋風を巻き起こした。以来、新世代ファドの担い手としての活躍は周知の通りだ。
マリーザよりも少し若い世代の歌手では、アナ・モウラも人気だ。2007年にローリング・ストーンズと共演して以来、ヨーロッパのみならず北米や南米でも活躍しているのが彼女だ。
さて、イギリスのワールドミュージック雑誌「Songlines」が〝ファド・シリーズ〟と題し、若手ファディスタたちを紹介するライヴを開催する。
ピザ・レストランのチェーンピザ・エクスプレスの協力を得て、ロンドンのキングス・ロードにあるレストランで展開されるこのコンサートには、6月末から9月にかけて4人の若手が登場。まず第一弾は、リスボン生まれのルイーザ・ホーシャ。12歳からファドを歌い始め、両親に反対されながらも有名なファド・ハウスで歌い続けてきた。ポルトガルでは2枚のアルバムをリリースしている。2人目は同じくリスボン出身のラケル・タヴァーレス。音楽好きな一家に生まれ、12歳で有名なファド・コンテストのチャンピオンに輝いた。国内では現代のファドをリードするファディスタの一人だ。3人目はイギリスでは初登場となるドゥアルテ。ポルトガル南部のエヴォラ出身で、もともとは遊びで歌い始めたという彼だが、2004年から着々とキャリアを重ね3枚のアルバムをリリースし、老舗ファド・ハウスで歌いながら国外でも活動している。そして4人目は、ポルトガル第二の都市ポルト出身で2003年からイギリスに在住するクラウディア・アウローラだ。昨年には故郷に捧げるアルバムをリリース。母国の伝統により目を向け、イギリス国内で活動している。
ピザ・エクスプレスではこういったワールドやジャズのライヴを度々開催し、音楽関係者や耳の肥えたリスナーが集まる機会でもある。果たして今後第二のマリーザが生まれるかどうか…… 乞うご期待。
(ロンドン●岸 由紀子)


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