リカルド・アルフォナ、8ヶ月ぶりのアルバム発表

『シルコ・ソレダ』を発表し、メキシコでのツアーを行っているリカルド・アルフォナ

『シルコ・ソレダ』を発表し、メキシコでのツアーを行っているリカルド・アルフォナ

日本のゴールデンウィーク前後、中米地峡諸国の首都では多くの外国人アーティストがツアーを行なっていた。目立ったのは新しい恋人を自家用飛行機に帯同した在ニューヨークのサルサ歌手のマーク・アンソニー、英国のスティングたちだが、グアテマラだけは国民的アーティスト、リカルド・アルフォナの活動を伝える記事がやたらと目立つ。

4月下旬、8ヵ月ぶりの新作アルバム『シルコ・ソレダ(サーカスの孤独)』を発表、つづいて新作のプロモーションを兼ねヨーロッパ・ツアーを6月に行なうことも発表され注目を集めているからだ。

コスタリカで撮影された新作用のビデオクリップも完成し、ピエロの衣装にメークを施したアルフォナの姿も見られる。ステージでピエロのパフォーマンスも軽やかにこなせるようストレッチ(?)にも余念がないようだ。

ロンドン、パリ、バルセロナ、マドリッドなど主要都市を巡演するヨーロッパ・ツアーは2009年以来、8年ぶりとあって話題が沸騰しているようだ。現在、中米地峡諸国のアーティストでヨーロッパ・ツアーを堅実に実現できるアーティストはアルフォナぐらいしかいない。もっとも中米もカリブ諸島圏と拡大してみれば、アルフォナがロンドン公演と前後してドミニカ共和国のバチャータのトップアーティスト、ファン・ルイス・ゲーラ一行も公演を慣行しているはずだ。

今年、53歳を迎えたアルフォナだが、数年前、シンガーソングライターとしての創作意欲が衰えたか同国の若いアーティストを支援することに尽力したいと語り、同国出身で米国にホームベースをおいたガビー・モレノの活動を支援したりしていたが、休めば沸々と湧き上がってくる表現欲求には逆らえないようで昨年のアルバム『アパゲ・ラ・ルス・イ・エスクチェ』の発表以後、さほど時間をおかずに制作をはじめたのがこの新作アルバムだ。今後もしばらく中米地峡を象徴するアーティストとして前傾姿勢を自ら強いるようだ。

その新作アルバムでは編曲などのスタッフにローリング・ストーンズのアルバムにも関わった人材を投入するなど意欲的だった。

ヨーロッパ・ツアーに先立って5月は、アルフォナがラテン世界への飛躍の地としたメキシコ各地で先行ツアーを精力的に行なっている。

(グアテマラシティ●上野清士)


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