ヴァレスカ、アニータ ファンキ人気歌手が話題に

ファンキカリオカの人気歌手ヴァレスカ・ポポズーダ

ファンキカリオカの人気歌手ヴァレスカ・ポポズーダが10月末に発表した新曲「ビアード(Viado)」がYoutubeで検閲にひっかかったという。というもののYoutubeにある18歳未満視聴不可のコンテンツに指定されたということだ。有名どころでは、リアーナの「Work」やジャスティン・ティンバーの「Tunnel Vision」もYoutubeに同様の措置がとられている。

そんな話題が結果的に世間の関心を引き、同曲の視聴件数は数日であっという間に100万件以上突破した。ビデオクリップは、人気男優のラファエル・サンダーが、強盗に扮してレストラン客を脅し、警察官であるヴァレスカに捕まえられるというシーンへと進む。彼が収容された刑務所では、ひきしまったムキムキの囚人たちが、シャワーをあびるシーンや裸のサンバ隊がでてくる。そして最後はヴァレスカが、この強盗にキスするシーンで終わる。タイトル曲の「ビアード」は一般にオカマという意味で、バカにした言葉だが、ホモセクシュアル同士で、愛情をこめてつかうこともあり、この曲のタイトルは後者の方を指している。フェミニスタでもあるヴァレスカは、2月にも「Boy Magia」という曲で同性愛を擁護した。ただ、彼女が横たわった上半身裸の多くの男性たちとともにポーズをとっている同曲の宣伝写真は、ジェニファー・アニストンがモデルになったアメリカの雑誌QGのメキシコ版の表紙にそっくりで、コピーしたという批判もでている。

ヴァレスカよりライトなポップファンクを歌い絶大な人気を得ているアニータは、ファンから災難を受けた。リオの郊外にあるカーボフリオでライヴを行ったアニータだが、7分間で3曲歌っただけで、次に違うスケジュールがあるからと観客に説明し、いきなりライヴを終了。キレたファンたちが、ステージ上のアニータに缶ビールなどを投げつけたという。アニータもこれに怒り、「行儀が悪いわね!チャオ!」と捨て台詞を残してステージを去って行った。朝3時に人気歌手ベロのライヴが終わりアニータのライヴが始まる予定だったが、彼女がステージに上がったのは4時前。おまけにライヴが短時間で終わったので、待ち続けたファンがキレたのも無理はない。アニータ側は、イベントの会場プロダクションが原因でステージに上がるのが遅れたというが、イベント側はアニータのでっちあげで、彼女自身が遅れたと反論。両者関係に亀裂が入っている。このライヴで彼女がもらったギャラは9万レアル(約300万円弱)だったらしい。彼女は、2013年のエスピリット州でのライヴ、そして今年の1月にもサンパウロのDVD収録ライヴで缶ビールを投げられている。どんな理由であれブラジルのファンの中には、アニータがいうように行儀がよろしくないものもいるようである。

(ブラジル●北村欧介)


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