世界で最も経済格差が激しい地域はラテンアメリカ、カリブ諸国

ciudadera.jpg 人口比では10%にすぎない富裕層が全収入の40%を占めるラテンアメリカとカリブ地域、世界銀行が行った調査結果により、世界で最も社会格差が大きい地域と発表された。

また、ブラジル経済研究所のリカルド・パエス・デ・バロス氏によるとラテンアメリカ及びカリブ地域の最貧困層10%に当たる人々が全体に占める収入比はわずか1%だという。

この地域における社会格差はほとんどの場合が、幼少時の環境・家庭の経済状況によるところが大きいとのことだ。
今回は初めての試みとして、「人生への期待値」を調査。この調査から、環境が個人に及ぼす影響力と水、医療、電化製品、初等教育など、より良い生活へのアクセスが可能かどうかなどを推し量ることが出来るという。

世界銀行のラテンアメリカ・カリブ地域担当代表は今回の調査結果を発表するとともに、同地域の不平等な所得配分の問題は「全ての人が等しいチャンスを手にしていない」ところに負うところが大きいとコメントした。
ラテンアメリカの貧困削減と政治経済を研究するマルセロ・ジウガレ氏は「ラテンアメリカ人は、幼い時から生まれ育った環境によって、人生はおおかた決められていると思っている。それは個人の努力でもって解決の及ぶ程度のものではないと感じている。」と話している。

今回の調査は対象地域19カ国、2億人の児童を対象に実施された。

調査結果は「人生への期待値」ではアルゼンチン(88%)、チリ(91%)、コスタリカ(86%)、ウルグアイ(85%)、ベネズエラ(86%)が世界平均に最も近い数値を出している。逆に最も数値の低かった国々はグアテマラ(50%)、ホンジュラス(53%)、ニカラグア(46%)と中米地域の国々が並んだ。

初等教育などの公的サービスではブラジル(96%)、チリ(98%)、ドミニカ共和国(97%)が最も高い期待値を示した。飲料水へのアクセスではアルゼンチン(90%)、ブラジル(91%)、チリ(94%)、コスタリカ(97%)となっており、衛生・医療面ではチリ(87%)、コスタリカ(88%)、ベネズエラ(82%)がそれぞれ高いパーセンテージを示した。m

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