アフロペルー舞踊を楽しむ 『ダンサアフロ』人口が急増中!!

アフロペルー舞踊を指導中のピエール © Oscar Chambi

アフロペルー舞踊を指導中のピエール © Oscar Chambi

ペルーの人たちは、踊るのが大好きだ。何かというとホームパーティーを開き、記念日や誕生日はとくに盛大に祝うが、音楽と踊りは欠かせないアイテムとなっている。ただし、アンデス音楽やバルス(ペルー風ワルツ)、クンビアといろいろある中でも、アフロペルー音楽に合わせて踊るダンスは特に難易度が高い。そして一概にアフロペルー音楽と言っても、フェステホからサマクエカ、ランドー、マリネラ・リメーニャなどいろいろあって、リズムも踊りの基本ステップもそれぞれ異なる。また、肩や胸、腰をつかったその妖艶な動きは踊り好きのペルー人にもちょっとハードルが高い。みんな何となくは踊れても、やっぱり子どものころから慣れ親しんでいるアフロ系ペルー人のようにはいかない。

しかし、最近、アフロペルー舞踊を習う人たちが増えている。火付け役は、アベラルド・バスケスの孫にあたるピエール・パディージャ。音楽グループ『コレクティーボ・パレンケ』のリーダーであり、舞台俳優、さらにマリネラ・リメーニャの連続チャンピオンでもある。

彼は、市内のふたつの大学でアフロ舞踊の指導者としても活動していたのだが、大学以外でも教室を開いて欲しいという希望者のリクエストに応え、2014年に短期間のダンス教室を何度か開催することになった。そして、海外で生演奏の音楽をバックに踊るダンス教室を体験したのをきっかけに、自分のクラスにカホンやコンガ、カヒータ、キハーダなどの楽器を用いたアフロペルー音楽の生演奏を導入。このクラスの様子を録画して、フェイスブックにアップしたところ、大反響を呼んだ。

これを機に開設した定期的な舞踊教室が『ダンサアフロ』だ。開講時には週2回の頻度だったが、毎月入会希望者が増え続け、気がついたら毎日開講するようになっていたと言う。また、ダンサーで栄養士のマルタ・ムニョスを迎えて開講したフィットネスのクラス『アフロパワー』も人気だ。現在の月平均の生徒数は100〜150人程度。まだ始めて3年足らずだが、これまでの受講者は8千人以上で、フェイスブックのファンは6万人を超えている。

さらに一昨年、『ダンサアフロ』の母体として、アフロペルー文化イベントの運営も手がけるプロダクションを起業したピエール。これまでに様々なイベントをプロデュースしているが、今年9月に開催を予定しているというプロのダンサーを対象とした国際セミナーにも注目したい。

(ペルー●川又千加子)


こちらの海外ニュースは月刊ラティーナ3月号に掲載されています。
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