アンサンブル・グルフィーオを知ってますか?


 
ベネズエラの単なるフォルクローレ・グループだと思っていませんか?とんでもない。ベネズエラの民族楽器とリズムを使いますが、どのメンバーも世界的なレベルのミュージシャンたちによるラテン・アメリカを代表する室内アンサンブルです。

 ベネズエラの民族楽器クアトロを自在に扱う天才、チェオ・ウルタード、アメリカ、ヨーロッパでも活動した後に音楽大学で教授を務めているフルートの名手ルイス・フリオ・トロ、おそらくジャズ・ファンも眼を丸くする最高のコントラバス奏者のダビード・ペーニャ、エーッ、マラカスってこんなに凄いの!?と思わせる天才エルネスト・ラジャ。

 彼らの演奏は基本的に即興です。しかし、圧倒的な迫力で押しまくることもあれば、ルイス・フリオ・トロのフルートに乗せた限りなく美しい曲など、彼らのステージは聞くものを一瞬たりとも離しません。
日本では有名とはいえませんが、91年、94年とずっと前に来日して六本木の「ピット・イン」で行ったコンサートでは、本格的な「音楽」を愛するファンに囲まれて、一気に名を馳せたのですが....。

 ベネズエラ大使館がやる「ベネズエラ文化週間」でやってきます。大使館の....週間が嫌いな人も、今回は絶対に足を運んでください。ブラジルのショーロが好きな人も、アルゼンチンのフアンホ・ドミンゲスが好きな人も、必ず「感動」を手に入れられるはずです。現在の駐日ベネズエラ大使は、石川大使といってまだ30代の日系2世の方で、音楽ファン以上に音楽好きです。石川大使とチェオが同郷ということもあって実現したのがこの企画です。文化担当官の方もベネズエラでは有名なクアトロ演奏家です。今回の企画は石川大使から、ホンモノの音楽が好きな人への最高のプレゼントなのです。

 われわれラティーナは、石橋純・現東大准教授がベネズエラに滞在していた頃に、このグルフィーオを紹介されて驚き、腰を抜かし、90年代に日本に連れてきました。今はもっともっと「すごみ」を増しての再来日です。ひさびさのホンモノのコンサートです。しかも、会場は大きさも最高。絶対に聴いてみてください。

アンサンブル・グルフィーオのイベント情報はこちらから
「ショーロ・クラブ」からの素晴らしいコメント

●中南米の都市型軽音楽として、ショーロやタンゴなどとともに、ひとつの 「峰」を形成しているベネズエラ都市音楽の最高峰グループが、このグルフィ ーオです。十数年前初めて彼らの音に触れ共演もしたのですが、「あ、ヘタし たら、このレヴェルに達しているショーロのユニットって、今のブラジルには いないかも」というのが、その当時の密かな感想でした。
(笹子重治)

●ベネズエラ都市弦楽の最高峰ユニット、グルフィーオ。その緻密で繊細、かつ豪放なアンサンブルは、豊かな伝統音楽を継承しながらも、かつコンテンポラリーなワールドミュージックとして瑞々しい魅力を湛えている。ベネズエラ音楽ファンはもとより、より多くのボーダーレスなリスナーの方々にとっても、「最良のインストゥルメンタル・ミュージック」のひとつとしてきっと琴線に触れる音楽だと思う。(秋岡 欧)

●アンサンブル・グルフィーオはラテン音楽ファンだけに限らず、アルゼンチン音響派やプログレを愛聴する方には是非足を運んで聴いて頂きたいアンサンブルです。自然に醸し出される変拍子のリズムと芳醇なメロディーが交錯するアンサンブルの妙は、まさしくその色香溢れるサウンドに内包しそのまま彼らの宇宙に引き込まれる事間違いなしです。(沢田 穣治)



●再び、アンサンブル・グルフィーオが来日する・・・この知らせを聞いて前回の興奮が甦りました。
ゾクゾクッと身震いしてしまうほどの超絶技巧、思わず小躍りしてしまう変幻自在に織り成されるリズムの連続。彼らのサウンドは正に音を楽しませてくれる要素がいっぱいです。
ベネズエラ音楽を聴いたことがなくても、音楽ファンであればきっとその虜になってしまうことでしょう。
(ルシア塩満/アルパ奏者)

●ベネズエラの珠玉のグループ、アンサンブル・グルフィーオがベネズエラ文化週間の一環で13年ぶりの来日をします。
クアトロ、マラカス、フルート、コントラバスの調和のとれた見事な超絶技巧を、ぜひ目と耳に焼きつけていただきたいと思います。
生きているアーティストを生で見聴きできることは本当に幸せを感じます。ラテン・フォルクローレのファン、演奏家の皆様にもぜひこの貴重な演奏会を聞いていただきたいと思います。みんなで至福の時間を過ごしましょう。
(寺澤むつみ/ラテン=フォルクローレ弦楽器奏者) 


●美しさ、繊細さ、軽快さ、もの悲しさなどが混ざり合った独特の音楽世界が、どの曲からも伝わっていくる。
ベネズエラはカリブ海の国であると同時に、広大な平原(ジャノ)と大河オリノコとアンデス山脈をもつ南米大陸北部の国だが、この音楽の背後に感じられるのはジャノの光景だ。
演奏曲の中でも、作者不明の「パロミータ・ブランカ(白い小鳩)」は、欧州クラシックを連想させる静けさのある曲で、耳に残る。
だが、すべての曲に歌詞がなく、聞き慣れない者には、みな同じように聞こえるかもしれない。そこで大事なのは、すべての曲で踊ることだ。椅子に腰掛けたままでクラシックを聴くように、すましていてはならない。立ち上がって踊ろう。踊ることこそが、最良の鑑賞法なのだ。当然のことながら、演奏会場の前部には踊るための空間が設けられなければならない。そうなって初めて、日本人もいっぱしのベネズエラ音楽の鑑賞者になれるのだ。
 (伊高浩昭/ジャーナリスト)


●名人芸、即興演奏、アンサンブル
--------その創造性、スリル、楽しさが、分かちがたく混在する音楽世界。
(石橋 純/東京大学 准教授)

アンサンブル・グルフィーオ:

■メンバー■
 チェオ・ウルタード(クアトロ、バンドーラ、他)
 ルイス・フリオ・トロ(フルート)
 ダビード・ペーニャ(コントラバス)
 エルネスト・ラジャ(マラカス)

アンサンブル・グルフィーオ試聴コーナー♪
『グルフィーオ・エン・ビボ』より

Seis guayanes(セイス・グアヤネス)



Destillo de Amor(愛のきらめき)


プロフィール:アンサンブル・グルフィーオ

 1984年のグループ結成以来、アンサンブル・グルフィーオはベネズエラの伝統音楽に審美的・舞台芸術的な試みを加え、内から自然に生まれる即興的なものを取り入れた新しいベネズエラの器楽スタイルへと道を開いてきた。彼らの音楽は常に各メンバーの即興演奏と名人芸といえる妙技を交えたものなので、その演奏は二度と同じ演奏はなく、常にその時限りのものである。当初は友人との集まりなどで活発な演奏活動を行いながら、徐々に“アンサンブル・グルフィーオ”というグループとして形成していったが、当初より既にベネズエラ伝統音楽に加えた新しい音楽性を備えていた。
グルフィーオは、クリストバル・ソト(マンドリン)、ルイス・フリオ・トロ(フルート)、チェオ・ウルタード(クアトロ、バンドーラ)をメンバーとして結成され、ヘスス・ゴンサレスがコントラバスでメンバーに加わった。1989年からコントラバス奏者がダビード・ペーニャに替わり、91年に正式メンバーとなる。
この年グルフィーオは国外活動を開始、日本、ブラジル、米国の様々な都市でツアーを行い、大成功を収め知名度を国際的なものとした。その後もブラジル、メキシコ、コロンビア、ドイツ、スペイン、フランス、英国、他でコンサートを行い、グルフィーオはベネズエラの伝統音楽であるホローポやメレンゲ(ドミニカ共和国のそれとは異なる)、バルス(ワルツ)などの多彩なリズム、スタイルにポピュラー的な要素と現代的要素を取り入れ、ベネズエラ伝統音楽を豊かに生まれ変わらせたベネズエラ随一の弦楽アンサンブルとして世界的にその名を知らしめた。
また、グルフィーオのベネズエラの文化的価値の普及への貢献及びその素晴らしい演奏技術に対し「モンセニョール・ペジン」賞が授与され、さらに他の様々な賞を受賞している。
2002年、アンサンブル・グルフィーオは、新たに「カメラータ・クリオージャ」というベネズエラのクラシック界の音楽家の中でも抜きん出た音楽家数名と共同で、自分たちの音楽の世界共通な要素を探求し新しいものを、シンフォニーという形の中で創造するというプロジェクトに着手し、音楽界に深い感動を呼び起こしている。
これまでにメンバーの変遷を経てきたグルフィーオだが、現在はクリストバル・ソト(マンドリン)の替わりに、ベネズエラ独特のマラカス奏法で誰もが認める名手エルネスト・ラジャを新たに加えて、数年前より活躍を続けている。

CD:「マロア」(1993)、「エル・クルサオ」(1994)、「エル・トラバデードス」(1996)、「昨日のこと」(1998)、「ライブ」(1998)、「グルフィーオとオーケストラ」(1999)、「グルフィーオとセレナータ・グアヤネサ」(2001)、「セッションwithモイーセス・トレアルバ」(2002)、「カメラータ・クリオージャ」(2002)、「アンサンブル・グルフィーオ=カメラータ・クリオージャ」(2005)

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