リオのカーニバルで大事故が続々と発生 大きな影を落とす

3階部分が崩れ負傷者を出したウニドス・ダ・チジューカの山車

3階部分が崩れ負傷者を出したウニドス・ダ・チジューカの山車

世界最大の見世物のひとつと見なされているリオデジャネイロのカーニバルが、2月24日(金)の開会式に始まり、28日(火)まで繰り広げられた。26日(日)、27日(月)の2晩はメイン会場サンボドロモでスペシャルグループによるパレードが行われ、計12チームが競い、結果33年振りにポルテーラが優勝を飾った。

今回特に目立ったことは、異例の事故が相次いだことだ。最初の事故が起きたのは、スペシャルグループのパレードが始まった26日夜のこと。パライゾ・ド・トゥイウチの大型山車の一つが制御不能になり、フェンスにぶつかった。この事故で、地元の記者を含む20人が、足・大腿骨などの骨折の重軽傷を負った。事故の原因は、タイヤの破損であったと後日発表されたが、運転席に備えられるべきシートも無く、フロントから見れるエリアに限りがあったこと、そしてドライバーと運行情報を管理する責任者との間に状況を伝える機能が全くなかったことが、主な原因とされている。また、山車のタイヤ破損、雨の原因だけではなく、ジャーナリスト、報道カメラマンなどマスコミ関係者が、立ち入り禁止の危険エリアに進出することにも要因があったと発表している。

スペシャルグループ、2日目に最初にパレードを行ったウニオン・ダ・イーリャの最終山車も、コース入場前にコントロールを失った。車両のトランスミッションに問題があったのだと発表。怪我人は出なかったものの、不備を知り心配で頭を抱えていたチーム責任者は、その後体調不良を訴え救急車で運ばれたという。

そして同日、3番目に登場したモシダージの山車先端、約1メートル半の高さに乗っていた女性ダンサーが、足踏み台の破損により落下した。

又、同日4番目にパレードを行ったウニドス・ダ・チジューカのパレード開始間際にも事故が。2番目の山車の3階部分が突然崩れ、上で踊っていた8人と下敷きになった4人、計12人が負傷者となった。

コンテストの結果は事故の影響で、今回最下位のチームについては、降格なしの特別措置がとられ、2018年のリオのカーニバルパレードは13チームが登場、下位2チームが降格するコンテストとなる。壊滅的被害を与えた波乱のパレードは、山車の大型化の問題とその対策の不備が原因であろう。例え負傷者が出たとしても、心を痛めながらパレードを続行しなければならない現実に、命のはかなさや人生の虚しさを実感させられる、パレードとなった。

(リオデジャネイロ●MAKO)


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