アウセウ・ヴァレンサが飛び入り参加! SNSで今話題の動画!

大晦日、オ・グランジ・エンコントロに出演するアウセウ・ヴァレンサ

大晦日、オ・グランジ・エンコントロに出演するアウセウ・ヴァレンサ

リオデジャネイロのコパカバーナで行われるブラジル最大の大晦日の年越しイベント。仮設ステージで行われる野外ライヴで、2016年を締めくくるメイン・ライヴ・イベントに出演したのは、エウバ・ハマーリョ、アウセウ・ヴァレンサ、ジェラウド・アゼヴェードの3人が集う「O Grande Encontro – オ・グランジ・エンコントロ(大いなる出会い)」だった。

大晦日のコパカバーナ海岸での打ち上げ花火は、不景気が原因で昨年の16分間演出時間から今年は12分間に短縮されたが、サウンドエフェクトと組み合わせた演出で、年明けカウントダウンに設置された11基のボートから18トンの打ち上げ花火がリオの夜空を鮮やかに彩どり、200万人の人々に希望と喜びに満ち溢れた祭典を催してくれた。音楽野外ステージは、例年コパカバーナ海岸に3ヶ所設置されるのだが、今回は経費節減のため1ヶ所のみとなり、経済危機がその姿を露わにした。

メインイベント「オ・グランジ・エンコントロ」のライヴは、1996年にリオデジャネイロにあった有名劇場カネカォンで行ったライヴの20周年を記念したのもので、そのメンバーの一人であるアウセウ・ヴァレンサにまつわる話題が投稿され、SNSで大反響を呼び話題になった。

リオ市の高級住宅街であるレブロン地区で、名も知らぬストリート・ミュージシャン達がアウセウ・ヴァレンサの名曲「Morena Tropicana – モレナ・トロピカーナ」を演奏するのを、当コンポーザーであるアウセウ・ヴァレンサが不意に通りすがったことから始まった。自分の曲を演奏している演奏者達にかわり、歌い始めたアウセウ・ヴァレンサに、通りすがりの人達が足を止めて鑑賞し始めた。マイク無しで歌い始めパフォーマンスを繰り広げる彼の姿に観客が一気に沸き立った。指揮をとりながら次第にオーディエンスをコーラスで参加させるのは流石のもの。単なる路上ライヴが、一気に大野外ライヴのステージへと変身したのだ。この様子を収めた動画が12月中旬にSNSで公開され、既に334万回再生、6万回シェアーされている。特に興味深いのは、自ら歌い大いに観客を沸かした後に、ご祝儀である投げ銭をお札で投げ入れる瞬間だ。オリンピック後の大不況とはいえ、有名アーティストが不景気の心配を振り払うように見せた行動が、一気に世の中の人達に注目を集めたのだ。根強い人気を誇るというのは、いかにその人間性にあるのだ、ということを露わにしてくれた。

(リオデジャネイロ●MAKO)


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