録音年 1929年 アルゼンチン録音 BUENOS AIRES TANGO CLUB
曲目
1. AGUA SERENA 2. LA HE VUELTO A ENCONTRAR 3. NO ES PA’ TANTO 4. SIEMPRE AMIGO 5. MADRESELVA 6. YERBA AMARGA 7. ALGÚN DÍA 8. VOCÉ ESTÁ MALUCA 9. CHAU CHAU 10. HACIA LA CUMBRE 11. FASCINACIÓN 12. GATO MONTÉS 13. NOCHE TRÁGICA 14. ROSAS BLANCAS 15. NI TE PERDONO NI TE OLVIDO 16. LA PENA DE UN DESENCANTO 17. MADRECITA 18. LA QUE NO VOLVIÓ 19. LO QUE YO QUIERO 20. QUEJAS DE ACORDEÓN 21. MAMA JUANA 22. VAGABUNDO
BATCのE・ドナート完全ディスコグラフィVol.3。ドナートは同じビオリンのR・セリージョとの共同楽団でブルンスウィックに録音を開始した。ブルンスウィックは高級家具メーカーであったが、当時レコード業界にも進出した。それだけに木工技術には秀でており、高低バランスの取れたしっとりした音を聞かせてくれる(それにしては本盤では 5. 7. 8. 10. 12. 15. 16. 17. 19. 20. 21. と聞きづらい音質だが)。本シリーズはドナート単独の楽団になってからのもので、オスバルド(ピアノ)、アスカニオ(バホ)のドナート兄弟に支えられている。彼らが刻むしっかりしたリズムは踊るに良し、聴くに良しという当時の雰囲気そのものであり、時折入るビオリンの独奏とバンドネオンの変奏や修飾音で味付けされているが、全体的には同じようなアレンジでやや飽きてしまうきらいはある。しかしマガルディ=ノダの 22. (マガルディのレシタード入り)以外は殆ど知られていない曲ばかりで貴重盤の一つと言って良いであろう。
月刊ラティーナ2017年5月号掲載
(飯塚久夫)