Núcleo Contemporâneo
曲目
1. Consolação 2. Long arirang / Ponta de Areia 3. O canto da ema 4. Iyaong 5. Alio ver.4 6. Vera Cruz
ブラジルと韓国、異なる伝統を持つ2国の音楽家たちによって生まれた本作は、ピアニストのベンジャミン・タウブキン、パーカッショニストのアリ・コラーレス、ヴァイオリニストのヒカルド・エルスらが韓国の音楽祭でチョン・ガ・アク・ホー率いる伝統音楽を演奏する10人組に出会ったことが契機だという。ミルトン・ナシメント、バーデン・パウエルなどブラジルの名曲と韓国の伝統曲を織り交ぜて演奏しているが、ピリ(笛)やカヤグム(伽耶琴)、コムンゴ(玄琴)、ヘグム(奚琴)、歌によるピッチの微細な上下や、微分音といった技法で演奏されるブラジル音楽はまるで中東や北アフリカの音楽のよう。ともすればエキゾチックに終始しがちな異文化の融合だが、アレンジを手掛けたベンジャミンによるものか韓国グループの力量か決して色物とは言わせないクオリティになっている。曲数に対し長尺曲も多く、聴き応えのある作品。
月刊ラティーナ2017年3月号掲載
(宮本剛志)