FINA FLOR
曲目
1. Vento Vadio 2. Samba Em Prelúdio 3. Samba Novo 4. Tempo Feliz 5. Samba Triste 6. Apelo 7. Só Por Amor 8. Violão Vadio 9. O Astronauta 10. Vou Deitar E Rolar 11. Berimbau 12. Canto De Ossanha 13. Marcha Escocesa
個人名義としては4枚目となるマルセル・パウエルの本作は満を持しての父・バーデン・パウエル作品集。97年、サバス東京で行われたバーデンの公演に兄のフィリッピと共に同行。当時15歳でしたが、すでに父譲りの技とパッションを併せ持っていたのが印象に残っています。ゲストを迎えたデュオが4曲(アミルトン・ヂ・オランダ、ジルソン・ペランゼッタ、ダニエル・ミグリヴァカ、ヴィクトル・ビグリオニ)、それ以外の9曲はすべてギターソロ。今やスタンダードとなった有名曲が多い事に改めてバーデンの偉大さを感じますが、あまり演奏される機会のない 1. や 13. は、バーデンの中でも格段にギタリスティックな楽曲で、この辺りにギタリストとしてのマルセルのこだわりが見て取れます。現在35歳、晩年のバーデンに聴かれたような破滅的な美しさではなく、全体的に端正な演奏。使用ギターは父と同じくドイツの名工、Dieter Hopfがメインのようです。
月刊ラティーナ2017年7月掲載
(寺前浩之)