録音年 2016年 ウルグアイ発売録音 ACOUA
曲目
1. Cafetín de Buenos Aires 2. Niebla del riachuelo 3. Milonga triste 4. El último café 5. Garúa 6. Pedacito de cielo 7. La última curda 8. Nada 9. Gracias, a pesar de todo 10. Gricel 11. Sur 12. Tinta roja演奏:Juan Pietranera (Pf), Nicolás Enrich (Bn), Daniel Falasca (Ba), Pablo Agri (Vl) ゲスト:Luis Salinas (Gt, Vo)
チャンゴ・ファリアス・ゴメスら兄弟を中心に結成されたフォルクローレ・コーラス・グループ〈ロス・ウアンカ・ウア〉で紅一点として活躍したマリアン。フォルクローレ歌手として名声を誇るベテランの彼女が、なぜここにきてタンゴ?と思ったら、ジャケットにこうメッセージがあった。「あなたの娘、ちゃんとやり遂げたわよ」ーー同じく音楽家だった亡き父との最後の約束はタンゴを一緒に歌うことだった。これはその夢を果たすことなく逝ってしまった父へ捧ぐオマージュ作品。40〜60年代前半の有名曲を気負いなく歌い上げる様は、そこらの若手タンゴ歌手より断然の迫力がある。編成はp, bn, cb, vlのクアルテートで、P・アグリ、N・エンリッチら若手中堅ミュージシャンが奏でる音色も聴きどころだが、唯一ルイス・サリーナスのギターボーカルのみ 8. は、かのメルセデス・ソーサも好んだタンゴで本作品必聴のハイライト。
月刊ラティーナ2016年10月号掲載
(鈴木多依子)