曲目
1. FLORCITA 2. IGUAL QUE UN BANDONEÒN 3. LO MISMO QUE UN TANGO 4. ME QUEDÉ MIRANDOLA 5. NOS ENCONTRAMOS AL PASAR 6. MAS ALLÀ DE MI RENCOR 7. PA’ MÍ ES IGUAL 8. NOCHE DE REYES 9. NEGRO EL 20 10. BAILONGO DE LOS DOMINGOS 11. MALENA 12. EL REFRÁN 13. ROSA PEREGRINA - LUPE 14. MAÑANA ZARPA UN BARCO 15. NO NOS VEREMOS MAS 16. MAÑANITAS DE MONTMARTRE 17. PRELUDIO A MI NOCHE TRISTE - MI NOCHE TRISTE 18. HUMILDAD 19. LA CASITA DE MIS VIEJOS 20. NEGRA MARÍA 21. NO NOS VEREMOS MAS 22. LUNA
デマーレ(1906-74)は、ピアニストとして、編曲指揮者として、歌曲の作曲家として、比類ない個性を持ったタンゴの最高峰のひとりだが、残した録音のすべてが最高水準というわけではない(もちろん高水準だが)。このアルバムの時期は社会的・経済的な低迷の影響もあって、エネルギーがだいぶ衰えている。この巻の前半はティピカ編成の最後の時期(名演の、悲しい再録音も含む)、次が貴重極まりない(音楽内容も)ピアノ・ソロ録音だが、許容できるぎりぎりの(拒絶反応をする人があっても責められない)悪い音質である。それにもかかわらず!! 12. 17. 18. 19. などが与えてくれる感動は、お金では買えません。ひどい音の彼方にあるデマーレの音楽の魂の美しさに、わたしは涙が出ました。最後のボーナス3曲は、2歌手と共同指揮でキューバ録音(バンドネオンはいない)。ショー的なアレンジで、なかなか楽しめます。
月刊ラティーナ2017年3月号掲載
(高場将美)