曲目
1. DELIRIO 2. DICEN QUE DICEN 3. A DOS PUNTAS 4. MI SENTENCIA 5. DISCEPOLÍN 6. PRINCESA DEL FANGO 7. A PEDIDO 8. PA' QUE SEPAN COMO SOY 9. A MIS AMORES 10. UNA TRISTE VERDAD 11. EL TOBIANO 12. UN ALMA BUENA 13. BLUE TANGO 14. PECADO 15. CONTRATIEMPO 16. ANOCHE 17. SELECCIÓN DE VALSES 18. POR SEGUIDORA Y POR FIEL 19. POR UNA MALA MUJER 20. CERTIFICAO
ブエノスアイレス・タンゴクルブの全録音集シリーズ、フランチーニ=ポンティエル楽団の第4集は、楽団の歴史の中でもちょうど折り返し点の1950年から52年にかけての録音が集められている。フランチーニのバイオリンはもちろんフアン・ホセ・パスのピアノも随所で好演、楽団全体もスイングして非常に聴き応えのある内容となっている。編曲は主にA・ガルバンによるものと思われるが、アメリカ生まれの明快なタンゴにアルゼンチンらしさを加えた名演13.はピアソラの編曲。数年前に小松亮太が自身のアルバムで再現したのを聴いた方も多いだろう。他にフランチーニ作 1. やポンティエル作 9. 、ピアソラ作15.も良い。歌手はフリオ・ソーサとエクトル・モンテス。1949年にこの楽団に加入したばかりのまだ二十代のソーサだが、既にその声は一聴して彼とわかる個性と存在感があり、十年後に大スターになるのもうなづける歌唱である。
月刊ラティーナ2017年1月号掲載
(吉村俊司)