録音年 1954-1956年 アルゼンチン録音 BUENOS AIRES TANGO CLUB
曲目
1. Canzonetta 2. Cuatro Novios 3. Fraternal 4. Un Regalo de Reyes 5. El Hijo Cruel 6. Triste Destino 7. Lágrimas y Sonrisas 8. Tu Angustia y Mi Dolor 9. A mis manos 10. Por una muñeca 11. Camandulaje 12. Predestinada 13. A Media Luz 14. Lágrimas de Sangre 15. Un Tango para chaplin 16. Que nadie sepa mi sufrir 17. Historia de un amor 18. Te estaba Esperando 19. Entrador 20. Tuya 21. El Inquilino 22. Que facil es decir
BATCからA・ゴビの全録音集が出る紹介は既にしたところであるが、これでvol.3まで録音順に66曲が揃ったことになる。今回は1954年6月から56年7月までだ。次回で完結することになるであろう。本盤も実に素晴らしい演奏揃いだ。歌手はJ・マシエル、T・ランドー、A・デル・リオの3人が活躍。30代半ばのマシエルの俊秀ぶりを窺うことができる。インストゥルメンタルでは自作の「カマンドゥラーヘ」が何と言っても秀逸。I・スピタルニク作の「フラテルナル」やM・デマルコ作の「エントラドール」も聴きもの。ゴビの演奏はJ・デ・カロ流に音楽的にしっかりしていると同時に、O・プグリエーセにも劣らぬ緩急自在のタンゴの魅力を湛えていることが特筆される。そしてなおかつタンゴのリズムを大事にしている。ひとたびこの味を覚えると他の料理を敬遠したくなるほどの深さがある。次回を含めてこの際、全集を満喫しよう。
月刊ラティーナ2016年10月号掲載
(飯塚久夫)