録音年 2015年 ブエノスアイレス録音 Disco Trashumante
今のフォルクローレの盛り上がりを実感するためにはずせない1枚。
曲目
1. Como el sol 2. Mochileros 3. El sol parece lluvia 4. Chacarera del sufrido 5. Tata Nachi 6. El sueño de los viajeros 7. Si acaso vuelves 8. Como danza la esperanza 9. Mujer caminante 10. Chacarera del exilio 11. Bower 12. Luna del Albigasta 13. Hasta siempre
ロックやジャズへの指向性を保ちつつ現代フォルクローレの旗手であり続けるSSW、ラリー・バリオヌエボ。本盤は2015年リリースの最新盤でソロアルバムとしては10枚目にあたる。2013/2014年のツアーの間にライブで録音された音源をスタジオでミキシングしたもので全13曲。新曲は無く、過去のアルバムから、旅をテーマにした歌を抜き出したアンソロジーである(その内7曲が前々盤の“Rodar”(2012)から、残りの6曲もほとんど過去のアルバムに収録済)。ライブ音源なのでアレンジは全然違うし、聴衆のノリがそのまま伝わって来てとても楽しい。聴いているとラリーに「一緒に旅に出よう! 旅はつらいこともあるけれど、行かないよりは、行った方が良いよ、人生が変わるよ!」と強く誘われているような気分になる。チャカレーラやフォーク、レゲエ、クンビアなどが旅情を掻き立てる。最後の曲が、いわば旅先で人生を終えたチェ・ゲバラを歌っているのも印象的。
月刊ラティーナ2016年2月号掲載
(太田美加)