録音年 1978年 アルゼンチン録音 MUSEA
ヘネラシオン・セロの真骨頂!!
曲目
●曲目 1. Y MIL COSAS MAS 2. ULTIMOS DIAS DE MARZO 3. TEMA PARA GUSTAVO Y SU PIANOFORTE 4. RETRATO DE MARIANGELA 5. DE COMO AQUELLOS PERSONAJES SE FUERON A COMER DESPUES DE LA FUNCION Y ALGUNAS COSAS MAS... 6. TODO HOY 7. CRECER DE GOLPE●演奏:Rodolfo Mederos(Bn)Gustavo Fedel(Pf, Syn, minimoog)Francisco Arregui(E.Gt)Oscar Glavic(E.Ba)Gabriel Calderaro(Dr)
バンドネオン奏者ロドルフォ・メデーロスが、ピアソラを含む旧来のタンゴ世界と断絶し、ロックに強く傾斜したグループ「ヘネラシオン・セロ(ゼロの世代)」を結成したのは73年のこと。モサリーニ、ビネリの参加によりバンドネオン3台を含む布陣で熱い叫びを持った音楽を展開した(この編成は76年の初アルバムまで)。本盤は78年の第3作『トード・オイ(今日のすべて)』の初CD化。バンドネオン、ピアノ/シンセ(グスタボ・フェデル)、エレキ・ギター、エレキ・ベース、ドラムスという編成で、すべて独自の叙情性を感じさせるメデーロス自作で構成される。バンドネオンの音を用いたロック世代の音楽を目指すコンセプトはこの時点でも健在だ。現在は伝統タンゴに回帰したメデーロスだが、尖っていた70年代にこそ彼の真骨頂があると思う。77年の映画『クレセール・デ・ゴルペ(急成長)』サントラが貴重なボーナス。
月刊ラティーナ2015年9月号掲載
(鈴木一哉)