録音年 1942-63年 BATC
曲目
1. Al Compas Del Corazon 2. Que Te Importa Que Te Llore 3. Lejos De Buenos Aires 4. Tristeza De La Calle Corrientes 5. Corazon No Le Hagas Caso 6. Jamas Retornaras 7. El Pescante 8. Una Emocion 9. Tal Vez Sera Su Voz 10. Oigo Tu Voz 11. Que Solo Estoy 12. Remolino 13. Uno Y Uno 14. Camouflage 15. Como Tu 16. Discepolin 17. Corrientes Angosta 18. Pero Yo Se 19. Un Tango Para Estercita 20. En La Calle 21. Usted
ブエノスアイレス・タンゴ・クルブのラウル・ベロン集。タイトルは1942-1963だが、 20. を除いては1955年までの録音で、彼が最も輝いていた時代にぴったりあてはまる。楽団専属歌手の時代において最も成功した歌手のひとりであったベロン。本CDに収められているのはミゲル・カロー、ルシオ・デマーレ、フランチーニ=ポンティエル、そしてアニバル・トロイロと、この時代を代表する一流楽団での録音ばかり。最新技術により音質は極めて良好で(TK録音の 16. 、ラジオ録音の 21. は元が悪すぎるのかちょっと苦しいが)、各楽団の際立つ個性とともに彼のテノールの美声と幅広いレパートリーを堪能できる。 20. はベロンにとって最も縁の深かったカロー楽団との1963年の録音で、声そのものの衰えは隠せないものの味のある歌唱。 21. はフランチーニ=ポンティエル楽団とのラジオ出演時の録音で、ライブ録音ならではの迫力が味わえる。
月刊ラティーナ2015年10月号掲載
(吉村俊司)