ACARI
ジョイスのサポートメンバーとしても知られる、ブラジル屈指のサックス/クラリネット奏者のソロ作
曲目
1. Mensageiro 2. Mistura 3. Meu sax sumiu 4. Batepapo 5. Suíte três oferendas - Mirado 6. Suíte trêsoferendas - Riscador 7. Suíte três oferendas - Soprador 8. Meu sax voltou 9. No limite 10. Cor da rosa Flores 11. Meu sax sumiu
日本でナイロール・プロヴェッタというと、ジョイスのサポートメンバーとして知られる機会が多いと思うが、このブラジル屈指のサックス/クラリネット奏者(今回はサックスに専念)によるソロ作 ”Saxofone Brasileiro” の第二弾。ライナー解説にも書かれてある通り、単なる一作目の録り残しを集めただけの作品などでは決してなく、アルバムに配されたレパートリーの妙、そして伴奏陣とのサウンドの調和に段違いの熟成度を感じさせてくれる。それにしてもトリッキーで派手な表現に頼ったりすることなく、完璧な伴奏に乗せてスピーカーから流れるテナー/アルト/ソプラノサックスの音色の滑らかさと色気がたまらない。ハダメス・ニャタリあたりのショーロに目がないリスナーならイチコロだろう。落ち着いた気分でじっくりと何度でも聴きたくなる。ショーロファン・サックス愛好家のみならず、一人でも多くのインスト音楽ファンに耳にしてほしい良作である。
月刊ラティーナ2015年9月号掲載
(上沖)