リオ録音 Som Livre
さすがのベテラン鍵盤奏者、ナザレー集です
曲目
●曲目 1. アパニェイ・チ・カヴァキーニョ 2. フォン=フォン 3. ジュリッタ 4. ブレジェイロ 5. コンフィデンシアス 6. エスコヘガンド 7. コラサゥン・キ・センチ 8. テネブローゾ 9. トゥルビリャゥン・ヂ・ベイジョス 10. ヴァリアサゥン・ソブリ・オ・テーマ・オデオン
日本での知名度はそれほど高くはないが、ベンジョールのバンダ・ド・ゼー・プレチーニョや、兄のダヂらとのア・コル・ド・ソン、そして映画やテレビ番組の音楽監督としてブラジルでは著名な作曲家/ピアニスト/編曲家のムー・カルヴァーリョ。ソロ名義新作は、かのヴィラ=ロボスをして“ブラジルの魂”“と言わしめた作曲家、エルネスト・ナザレー(1863—1934)の生誕150周年記念作品。 1. 2. 4. をはじめ、選曲はナザレーの代表曲が並ぶ。ベーシストのジョルジ・エルデルら、ムーが精鋭を集めた管・弦・鍵盤・打楽器、顔ぶれの凄さ、ブラジルの雄大な風景が見えてくるような圧倒的スケールの編曲に息を飲む。ムーの編曲家としての実力にも膝を打つが、しかしながら再認識するのは、今でも愛され続けるナザレーによる贅沢で素敵で色気に溢れた旋律だ。“ブラジルのショパン”をカバーするのに“エレトリコ”は看板に偽りアリか?
月刊ラティーナ2014年6月号掲載
(勝田花暁)