録音年 2012年 ブエノスアイレス録音 EPSA
アルゼンチンの地方都市サンタ・フェで活動するピアニスト、ガブリエル・デ・ペドロ率いる五重奏団と女性歌手ルシアナ・トゥルネーのコラボによる極めて良質な中道路線のモダン・タンゴ・アルバム。トゥルネーの歌唱は澄んだ声質が安定していて素直に作品に向き合っているのが好感触。オラシオ・ロモ 3. とサンタ・フェ出身のラミロ・ガージョ 5. 9. がゲスト。【月刊ラティーナ2013年11月号レビューより抜粋】
曲目
●曲目 1. ロス・マレアードス(酔いどれたち) 2. バリオ・サルヘント・カブラル 3. タコネアンド・ポル・エル・ブールバール 4. ナダ 5. エル・ペスカンテ 6. アケージョス・タンゴス・カンペーロス 7. マレーナ 8. デサングランド 9. カミノ・アシア・エル・ソル(太陽へ向かう道) 10. アルフォンシーナと海 11. ボルベール 12. ア・ドン・アグスティン・バルディ 13. エン・エスタ・タルデ・グリス(灰色の昼下がり) 14. タキート・ミリタール●ゲスト:オラシオ・ロモ(bn)、ラミーロ・ガジョ(bn)
アルゼンチンの地方都市サンタ・フェで活動するピアニスト、ガブリエル・デ・ペドロ率いる五重奏団と女性歌手ルシアナ・トゥルネーのコラボによる極めて良質な中道路線のモダン・タンゴ・アルバム。冒頭から彼の自作 2. 3. 辺りまで聴いていったところでキンテート・レアルのスタイルからの影響が入っているなと感じたが、実際、サルガン作 6. 12. はサルガン編曲に基づく演奏だった。とはいえ、レアルとはまた違った独自のオブリガートや和声づけなどでしっかりと個性も主張しており、有名曲ではおおむね原曲の曲調をあまり壊さず尊重している点でも楽しく聴けた。トゥルネーの歌唱は澄んだ声質が安定していて素直に作品に向き合っているのが好感触。オラシオ・ロモ 3. とサンタ・フェ出身のラミロ・ガージョ 5. 9. がゲスト。サンタ・フェ・ジャズ・アンサンブルとの共演でピアソラ作品演奏会も開催したそうで、これは聴いてみたい!
(鈴木一哉)