CLEF
曲目
1. PRELÚDIO 2. CHORO DOS REIS 3. JOINED 4. TRISTEZA DE NÓS DOIS 5. 80℉ 6. À BENOIT 7. TRILHOS 8. BEBÊ 9. LAMENTO DAS ÁGUAS 10. NA BATUCADA DA VIDA 11. CARIOQUINHA 12. GENTE HUMILDE
エリス・レジーナ最後の伴侶としても知られる名キーボーディスト/アレンジャー、セザール・カマルゴ・マリアーノ。年齢を重ねるほどに衰えどころか右上がりに円熟味が増していく稀有なアーティストだが、今回もまたそれを証明するかのような映像を届けてくれた。本作はヨーロッパ出身の著名な三人器楽奏者(うち二人はベルリンフィル所属)を招き、ブラジルのジャズメンとセザール・カマルゴが組むというクラシック+ブラジリアンジャズの融合とも呼ぶべき意欲的プロジェクト。ヴィラ=ロボスを聴いているかのような美しい室内楽的アプローチから、とろけるように心地良いジャズまで、格の違いを見せ付ける演奏(とにかくサウンドが絶品なのだ)にはため息しか出ない。それでも主役の座を決して譲らぬセザルの圧倒的存在感。ダニ・グルジェルのバックメンバーであるシヂエウ(ベース)とチアゴ(ドラム)の鉄壁ぶりも素晴らしい。
月刊ラティーナ2017年5月号掲載
(上沖央明)