録音年 2016年 ブエノスアイレス録音 Independiente
曲目
1. Tango en Negro 2. Tres+Uno 3. Punk Tango 4. Infancia 5. A Tus Pies 6. Medianoche la Ciudad 7. Amanece la Ciudad 8. De Tanguistas 9. Buenos Aires Negra 10. Un Tal Bach (Preludio y Fuga Porteña)
Amijai Shalev Bandoneón
Manuel Masetti Guitarra clásica
Pablo Andrés Giordano Contrabajo
Julián Graciano Guitarra clásica de 7 cuerdas, composición y dirección
《グラシアーノ・クアトロ・クアルテート》はアコースティックギター2(うち一方は7弦)、バンドネオン、コントラバスという四重奏。本作は彼等のファーストアルバムである。その編成から渋めの音を想像したが全く予想と異なり、ユニゾンや対位法を多用しつつ即興と思しきパートも散りばめられた、熱さとクールさが同居するトラックが並ぶ。特に2本のギターはコードでリズムを刻むようなケースはほとんどなく、絡み合うフレーズはスリリングで面白い。曲は全てグループを率いるフリアン・グラシアーノの作品。音楽一家に生まれ育ち、バークリー音楽院で学んだギタリスト、作編曲家である彼は、これまでデュオやトリオでジャズとタンゴの融合をはかった音楽を作り上げてきた。また教育にも熱心で、エドゥアルド・ロビーラの研究にも取り組んでいる。確かにこのアルバムの音もどこかロビーラを思わせるところがある。
月刊ラティーナ2018年1月号掲載
(吉村俊司)