録音年 1947-1949年 BUENOS AIRES TANGO CLUB
曲目
1. La Viruta 2. La Entrerriana 3. Jueves 4. Amor de Forastero 5. Adoracion 6. Barcarola Triste 7. Amemonos 8. El Incendio 9. Tierrita 10. Muchachos,yo tengo un tango 11. Remenbranza 12. Independiente Club 13. La Vieja Serenata 14. Puro Apronte 15. El Pollero 16. Orlando Goñi 17. Tu Amargura 18. No la Traigas 19. Porque soy reo? 20. Racing Club 21. Chuzas 22. Sombras
伝統的なタンゴが好きな人にとっては歓迎される演奏の復刻を続けているBATC。今回はまた画期的な始動だ。「完全ディスコグラフィア」、しかもA・ゴビ。Vol.1というからにはこの22曲(1947年victor初録音から録音順に49年まで)に続けて、58年までの全録音82曲を出してくれると期待したい。ゴビはもともと高く評価されているアーティストではあるが、筆者はもっともっと見直して良い人だと思っている。両親共にタンゴ歌手でフランス生まれという恵まれた環境の下、6歳からコンセルバトリオに学び15歳でJ・マグリオ“パチョ”楽団に入り、R・フィルポ楽団を経てE・バルダーロとO・プグリエーセの6重奏団に参加という決定的な影響を受けて、42年には自己の楽団を設立した。65年に53歳で亡くなったが、J・デ・カロからO・プグリエーセに至るタンゴの一つの大きな流れの中核として位置づけたい人である。本盤すべてじっくり聴きたい演奏であるが、殊に 15. の名演、 12. の若き日のJ・マシエルの名唱は傾聴に値する。
(飯塚久夫)