録音年 2014年 アルゼンチン発売録音 TIPICA
曲目
●曲目 1. ノー・レ・テンゴ・ミエド・ア・ラ・ムエルテ(死への恐怖はない) 2. ラ・ビダ・エス・アファノ(人生は苦難) 3. ラタ・デ・ドス・パタス 4. ペドロ・ナバハ 5. パシオナル(激情) 6. ルイド(騒音) 7. 最後の酔い 8. マドゥルガーダ(夜明け) 9. ジーラ・ジーラ 10. 破局 11. アルゼンチン国歌●演奏:モノ・ウルタード(cb)、オラシオ・ロモ(bn)、フリオ・ドミンゲス(v)、レアンドロ・チアッペ(p)、レオポルド・フェデリコ(bn)、他
1980年代から活躍するロック歌手ハビエル・カラマーロが最初に本格的にタンゴに挑んだのは2006年のアルバム『ビジャビシオ』でのこと。タンゴとロック/ポップスの融合で高い評価を得たこの作品から7年余りの時を経て、彼が新しく録音したタンゴ・アルバムが本作である。スタイルは前作よりもずっとトラディショナルなタンゴに寄っており、自作の 2. や本来タンゴではない 3. 4. 6. もすっかりタンゴの衣を身にまとっている。ちょっとクセのある彼の声は味わい深く魅力的。支えるのは前作同様ピアノのレアンドロ・チアッペが率いる「海賊オルケスタ」で、小編成ながら実力派メンバーが迫力ある演奏を聴かせてくれる。 7. は故ルベン・フアレスのバンドネオン多重録音による伴奏で貴重(前作に収録された同曲で使われなかったチャンネルを復活)。おまけの映像も収録されている 11. はレオポルド・フェデリコが参加。感動的である。
月刊ラティーナ2014年8月号掲載
(吉村俊司)