録音年 2013年 RIO DE LA PLATA
曲目
1. アテンポラル 2. カウティボ 3. エル・エンゴビアオ 4. ビクトリオーソ 5. ビヒリア 6. マルガリータ・ガウティエール 7. アイローソ 8. レコルダンドテ 9. アトラパンテ 10. ケ・メ・バン・ア・アブラール・デ・アモール 11. ブエノスアイレス=東京
プグリエーセ楽団~セステート・タンゴと一流を経つつなかなか表舞台に立つことがなかったラバジェンが、00年代以降はコンスタントにアルバムをリリースしてくれるようになり、そのどれもが期待に違わぬ出来なのだから嬉しい。2010年の素晴らしかった来日公演に向けて制作された『タンゴ、伝統と革新』(2曲を差し替えてリマスタリングを施した『ブエノスアイレアンド』も出た)から、エミリオ・バルカルセ・タンゴ学校オーケストラ『ミストンゲーロ』の指揮を経てこの新作へと、ラバジェンの絶好調ぶりはもはや揺るぎない。ロビーラ作の 3. やプラサ作の 11. はセステート・タンゴ時代のアレンジを再現したものだが、 1. はラバジェンらしい知性あふれる新曲。またピアノのエスティガリビアが 4. を、第2バンドネオンのブルスチーニが 7. を提供し、作曲家たちのオルケスタとしての良き伝統もきちんと踏襲している。歌手ルセーロは落ち着いた雰囲気。
月刊ラティーナ2014年6月号掲載
(斎藤充正)