曲目
●曲目 1. もしもある輪だったら 2. ある瞬間へ 3. アル・ネグロ・フォンタナロサ 4. セリナ 5. その日の解釈 6. 旅 7. 私の野営地 8. トゥクマンの女になれるならば 9. アスール 10. エネロ 11. その日の解釈(インストゥルメンタル) 12. ラ・ボス・デル・アグア(水の声)●演奏:フアンホ・バルトロメ(g)、カルロス・アギーレ(p)、クラウディオ・ボルサーニ(g, vo)、フェルナンド・シルバ(b)、他
アルゼンチンからまたもや素晴らしいギター作品が登場。コルドバ出身のフアンホは、キケ・シネシを思わせる繊細なアコースティック・ギターから実験的なエレクトリック・サウンドまでこなせる知性派。多数のゲストを迎えてのヴォーカル・ナンバーが多いため、ギターが主役ながらもポップで聴き手を選ばない。シャグラダ・メドラからの2作目ということもあり、カルロス・アギーレを筆頭にクラウディオ・ボルサーニやフェルナンド・シルバといった名手たちが誠実にサポート。プログラミングを駆使してクチ・レギサモンを取り上げる変化球も興味深い。ラストの「ラ・ボス・デル・アグア」は、かの名盤『ルス・デ・アグア』同様、パラナの詩人フアン・L・オルティスの作品にメロディーを乗せたもの。アカ・セカのフアン・キンテーロがヴォーカルとストリングス・アレンジを担当し、しっとりと心地良い後味を残してくれる。
月刊ラティーナ2012年3月号掲載
(栗本 斉)