録音年 2011年 ブエノスアイレス録音 COLUMBIA
死後4年を経て発表された注目作
曲目
1. Apenas floto 2. Iris 3. El cabecitero 4. Bagualerita 5. El gaitero 6. Canción del lugar 7. Iris (version acústica )
明るい光に満ちたシエロ・ビートスタジオで、Beto・Cerati とリハーサル中のスピネッタに、特別直通電話で聞いてみた。
-未発表曲集の新しいCDがでましたね?
録音途中で心残りではあったので、ダンテや皆で仕上げてくれて嬉しいよ。ロドルフォのドラムもダニエルのベースも良い感じだった。3人のスタジオでの演奏に数曲オーバーダブしてくれた様だね。割とありのままの音で、少々照れてしまうところもあるよ。「Bastante feliz!」なんて言ってるところとかね。
-Bagualrita は、リリアナ・エレーロが同年に歌っていましたね?
そう、カルチャキ谷のフォルクローレ歌手レダに捧げた曲で、ここではモノ・フォンタナが美しい谷間に吹く風を感じさせる音で包み込んでくれているね。
-あなたの弾くギターも光の粒子の様で素晴らしいです。Iris は、アルメンドラでも歌っていたお姉さんのアナ・マリアのための歌ですか?
もちろん、アナをはじめとした僕の生きた世界のすべての愛するものへ。遠い過去からずっと時は流れてゆく。僕が灰になってラプラタ河から流れでて、海へ。そして今ここに居るように。命は、やってきては去るものなんだ。
-ほとんどの歌詞がこの時点で既に死を受け入れているかの様ですが?
それはさして重要なことではない。僕の曲を聴いてあなたがどう感じ、何を想い描くのかが大事なんだよ。そしてその曲はあなたのものになる。ただ、少しだけ声が枯れているところがあるね。僕のこんな声は嫌かな? -いいえ、この録音を聴くことができてとても幸せです。でも本当は、あなたがいつもの様に完成させたアルバムを聴きたかった。
-Gracias, Los quiero mucho. Felices Fiestas.
月刊ラティーナ2016年3月号掲載
(ぐーすか)