ブラジルで新録!!ファドの新世代歌姫カルミーニョ

新作のレコーディングはリオデジャネイロで行う予定

新作のレコーディングはリオデジャネイロで行う予定

先月末リスボンの音楽フェスティバル、EDPクールジャズにおけるマリーザ・モンチとの共演を好評のうちに終わらせたカルミーニョ。この地元公演を終えたタイミングで、自身四作目となる次のアルバムは、トム・ジョビンの楽曲をリオデジャネイロのスタジオで録音したものになるというニュースが飛び込んできた。

「ジョビンの曲で一枚のアルバムを作るというのは、彼の奥さんが勧めてくれたことなの」とカルミーニョは言う。過去の作品でも、ミルトン・ナシメントやナナ・ヴァスコンセロスらブラジルのアーティストと積極的にコラボレーションしてきた彼女。「ボサノヴァはとてもシンプルに見えて、実はすごく入り組んだ音楽だから、まだまだ勉強中なの」と語りつつも、収録曲の選出は既に終えているようで、内何曲かはポルトガルのポルトガル語で歌う可能性があるとのこと。

アルバム制作の参加メンバーは、交流の深いシコ・ブアルキ、マリア・ベターニア、マリーザ・モンチをはじめ、ジョビンの身内であるダニエル・ジョビン、パウロ・ジョビン、そしてカエターノ・ヴェローゾやマリーザの作品プロデュースで知られるジャキス・モレレンバウムを迎え、ジョビンに所縁のあるアーティスト達で固められている。過去作以上にブラジル色の強い作品になることは間違いなく、本国のファンからすれば待ち遠しい反面、嫉妬に近い羨ましさを感じなくもないだろう。

昨年、音楽プロデューサーのディオゴ・クレメンテとの離婚を発表した彼女。公私ともに長年のパートナーであったクレメンテとの別離の辛さは想像に難くないが、更に追い打ちをかけるようにクレメンテは離婚直後に6歳年下のTVオーディション番組出身のアイドルと交際を開始し、さらにアイドル女性の妊娠が発覚。カルミーニョの落ち込みは半端なものではなかったという。

今後インタビュー等で新作に関する情報は徐々に明かされていくはずだが、このファディスタを遠い大西洋の向こうでの作品づくりに駆り立てたのは、そんなプライベートでの辛い出来事も影響しているかもしれない。

今月はポルトガル各都市や国内フェスティバルでの12公演をこなし、リオでのレコーディングは9月以降となる見込み。彼女のFacebookやインスタグラムなどをチェックしておけば、ジョビンファミリーとのツーショットやレコーディング風景などが垣間見られるかもしれない。

(ポルトガル●山口詩織)


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