ポルトガルで大ヒット!ミレニアム世代「アジール」とは

 

今最もポルトガルで勢いのあるアジール

今最もポルトガルで勢いのあるアジール

「彼女はMakeup無しでもキレイさ/彼女は完璧、寝る時にMakeupは必要ない/内面もキレイさ、外側みたいに」(日本語部分はポルトガル語詞、アルファベット部分は英詞)

アメリカのメインストリームHIP HOPやR&Bと連動した流行のサウンドに乗せた、英語混じりのリリックが特徴的なソロアーティスト、アジール。

1988年生まれ、YouTube上で自作の曲を投稿したことがデビューのきっかけ、といういかにもミレニアル世代らしい彼は、インターネット上で最も影響力のあるポルトガル人アーティストの一人である。例えばFacebook公式ページのファン数41万、Instagramのフォロワー16万人、YouTubeのMVは軒並み300万再生超えという数字は、活動範囲が人口約一千万人のポルトガル国内のみという事実を考えると驚異的である(参考までに他のポルトガル人現役ミュージシャンのFacebook公式ページのファン数を挙げると、マリーザ53万人、アントニオ・ザンブージョ19万人など。そして彼らは世界的知名度も高く海外ファンも多い)。

また、過去に発表した2枚のEPは自身の公式サイトから無料ダウンロードの形式で発表され、2枚のアルバムの音源の殆どはオフィシャル・オーディオとしてYouTubeなどに投稿済み。あるインタビューの「(楽曲の)インターネット配信は、音楽業界の未来なのか?」という問いに、「未来じゃない。現在だよ」とキッパリ。

赤裸々な歌詞、インターネット上での影響力、全身〜顔まで入ったタトゥーに大振りピアスの独特の容貌も相俟って、色物的な印象を抱きがちだが、実は音楽一家に育ったサラブレッド。彼の父親パウロ・デ・カルバーリョは、「ポルトガルのビートルズ」とも呼ばれるロックグループ、シェイクス(Sheiks)の結成メンバーであり、ユーロヴィジョン出場経験もある超有名人で、幼い頃から音楽は身近にあったという。昨年発表された2作目のフルアルバム『Leva-me a Sério(原題)』にゲスト参加しているイヴァン・リンスは「自分が生まれる前から父親と友達で、赤ん坊の頃から家族ぐるみで付き合っている」と聞けば、その凄さも伝わるだろうか。発売から1年3ヵ月以上経過した現在もアルバム売上チャート上位をキープしているこの最新作には、イヴァン・リンスの他にブラカ・ソン・システマのブラヤ、アモール・エレクトリコらも参加。5月末に公開されたばかりの最新シングルMV『Makeup(原題)』では、多くのポルトガル女性セレブ達が曲のメッセージに合わせてその素顔を披露し、これもまた大きな話題になっている。

(ポルトガル●山口詩織)

こちらの海外ニュースは月刊ラティーナ7月号に掲載されています。

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